西日本シティ銀行が窓口業務をペーパーレス化…新たな営業店システム、地銀13行で共同開発
銀行業務で顧客の預金や融資などの出入金を管理する基幹システムを共同運用している地方銀行13行が、窓口業務のペーパーレス化で従業員の負担を軽くする新たな営業店システムを共同開発した。西日本シティ銀行が8日、他行に先駆けて導入する。13行以外にも採用を呼びかけており、地銀の連携を拡大させたい考えだ。(中西瑛、川口尚樹) 【図表】新システムのイメージ
13行は「勘定系」と呼ばれる基幹システムを共同運用する広域連携の「地銀共同センター」を組織している。ただ、営業店システムは個別に開発、運用しており、西シ銀の場合、数十億円の負担につながっていた。コスト低減に向けて2021年、共同利用するシステムの範囲拡大で合意し、今回は初の実績となる。
従来の窓口業務では、口座開設などの受付で、顧客が紙の伝票に記載した氏名や住所などを、窓口の従業員がシステムに打ち込んでいた。新システムでは顧客に直接、タブレット端末に入力してもらうことなどで従業員の負担を軽減できる。
西シ銀はまず篠栗支店(福岡県篠栗町)で試行導入し、25年度までに全約160店舗に拡大する方針だ。約140人分の事務量の軽減につながるとみており、顧客の待ち時間も大幅に短縮されるという。西シ銀以外の複数行も導入時期の検討を進めている。
今回のシステムは基幹システムが異なる地銀でも導入できるのが特徴だ。採用する地銀が増えるほど、1行当たりの導入コスト低下につながるため、共同センター以外の地銀にも売り込んでいく。13行はほかのシステムについても共通化を検討している。
◆地銀共同センター=NTTデータが提供する基幹システムを共同利用する地銀の広域連携。西日本シティのほか、青森、秋田、岩手、千葉興業、愛知、福井、京都、池田泉州、鳥取、山陰合同、四国、大分の計13行が参加している。