G20サミット閉幕 安倍首相が議長国会見(全文1)海洋プラごみ問題でリーダーシップを発揮する
G20議長として世界経済リスク緩和の処方箋を示せたか
読売新聞:読売新聞の【イケダ 00:15:50】と申します。G20全体について伺います。G20は参加国が多いことから意思決定が難しく、国際協調の枠組みとしての限界を指摘する声もあります。とりわけ米中の貿易摩擦が続き、今回の首脳宣言でも保護主義と戦うという文言は盛り込まれない方向だといわれています。本日はアメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が貿易摩擦の解消に向けて会談をしましたが、総理はG20議長として世界経済のリスクを緩和するために有効な処方箋を示すことができたとお考えでしょうか。また、G20の枠組みを改善していく必要があるとお考えであれば、どう改善すべきかお考えをお聞かせください。また、今回のサミットで議題になったWTO改革についてはどのようなスケジュール感で進めていくお考えでしょうか、よろしくお願いします。 安倍:G20について、世界を取り巻く主要な課題について意見の対立ばかりが強調されがちといってもいいと思います。いわば意見の違いが強調されることによって、それは政治的な意味を持ってくる。ある主張をしていると、その主張が通らなければ政治的に負けたのではないか、実質とはだんだん掛け離れて、いわば、例えばいろんな言葉、取った、取らないという結果になってしまうわけでありまして、その結果、共通の解決策が得られにくい状況になっているとの指摘もあります。 しかし例えば貿易や地球環境や防災といった課題については一部の国だけで対応することは困難であります。世界がダイナミックに動く中で世界経済の約8割を占めるG20の国々が一堂に会して、共に課題解決に取り組んでいくということは大変意義が大きいと思っています。 そのため今回のG20サミットでは日本は議長として、G20の持つ力を最大限に発揮するためには、多国間の対立を際立たせるのではなくて、共通点、一致点に光を当てていく。粘り強く共通点を見いだすアプローチをしていく。そして世界をより良い世界にしていくための結果を出していくということに力を入れました。多くの国々はこのアプローチに賛同していただいたと思っています。