G20サミット閉幕 安倍首相が議長国会見(全文1)海洋プラごみ問題でリーダーシップを発揮する
環境と成長の好循環のため世界が共に行動することが重要
世界経済の8割を占めるG20は持続的な成長のために大きな責任を有しています。地球環境問題は一部の国々の取り組みだけでは対応することが困難な課題であり、世界が共に取り組んでいかなければなりません。一昨年のハンブルク、昨年のブエノスアイレスでのG20サミットにおける努力の上に、環境と成長の好循環の実現に向けて世界が共に行動していくことが重要である。今回、こうした認識でG20として一致できた意義は大きいと考えています。 海洋プラスチックごみも一部の国だけでは解決できない課題です。そうした中でG20が結束して、新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを共有できたことは、この問題の解決に向けた大きな一歩であると考えています。その実現に向けた具体的実施の枠組みでも合意しました。わが国はこれまでの技術や経験をフル活用し、途上国の廃棄物管理や人材育成支援を行い、世界の取り組みに日本らしい貢献をしてまいります。 国際社会のさまざまな課題に、首脳たちが直接話し合うことで解決策を見いだすことができる。国と国の間の問題も、その解決に向けて歩みを進めていくことができる。このサミットの機会を生かして、私も20名を超えるリーダーと会談を行います。本日もこのあと、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行う予定です。EUとの首脳会談では東北の安全な農産物、水産物について規制緩和への大きな動きがありました。被災地の復興に協力してくださる多くの国々に、あらためて感謝申し上げます。
途上国女性に質の高い教育の機会を提供
世界の大きな関心である米中貿易摩擦について、一昨日、習近平国家主席と、昨日はトランプ大統領とそれぞれ話をしました。私からは世界第1位、第2位の経済大国が建設的な議論を通じて安定した経済関係を構築していくことが極めて重要であると申し上げました。こうした貿易摩擦や地域情勢について、このG20の機会を生かして、首脳同士が直接会って胸襟を開いて話すことで歩み寄っていける。日本としてできる限りの役割を果たしていく考えです。 グローバル化は経済の成長を後押しする一方、そこから生じる格差の拡大にもG20はしっかりと向き合い、成長の果実を社会の隅々にまで浸透させなければなりません。教育の充実は、持続可能な経済成長への最大の鍵です。全ての女の子が少なくとも12年間の質の高い教育にアクセスできる、そうした世界を目指していく、その決意をG20の首脳たちと確認しました。日本はこれからも途上国における女子教育の拡大に役割を果たしていく考えです。2020年までの3年間で少なくとも400万人に上る途上国の女性たちに質の高い教育、人材教育の機会を提供していきます。 世界では対立ばかりが強調されがちな中にあって、共通点や一致点を見いだしていく日本ならではのアプローチで、この大阪サミットでは世界のさまざまな課題に対し、G20が一致団結して力強いメッセージを出す。そして具体的な行動へと移していく大きなきっかけにすることができました。 最後となりましたが今回のサミット開催に当たり多大なご協力をいただきましたご地元の皆さま、人情の町・大阪らしい温かいおもてなしで迎えていただいたことを心から感謝申し上げます。私からは以上であります。 司会:これからは皆さま方からの質問をお受けいたします。最初は日本のプレスの皆さまからのご質問です。ご希望される方、挙手をお願いいたします。私、指名いたしますので、指名された方は近くのスタンドマイクの前に進み出て、所属とお名前を明らかにされた上でご質問お願いいたします。はい、どうぞ。