空飛ぶ「クロネコヤマト」自社便で運ぶ荷物の中身、導入費用は130億円、スピード勝負の費用対効果
足元では冷凍・冷蔵のクール輸送の体制を整えている。たとえば、山口・下関のふぐ、鹿児島のぶりなど、名物の海産物の取り扱いも今後は増えていきそうだ。 ■増便も視野に もちろん、新サービスには相応の費用がかかっている。初年度となる今2025年3月期における貨物機関連費用は約130億円。現在は3機体制で、増便も視野に入れている。 つねに大量の宅急便の荷物を運ぶため、貨物機を空の状態で飛ばすことはないが、高い輸送コストに見合う量を獲得する必要がある。阿部珠樹常務執行役員は「時間と距離を縮める武器を使い、顧客のビジネスを活性化できるようにしていく」と意気込む。
ヤマトの業績は厳しく、今期は4期連続の下方修正、4期連続の営業減益見通しと苦しい状況だ。貨物機のビジネスも「新たな需要獲得に時間を要している」と想定を下回っている状態だ。新サービスとして早期に定着させられるかが、問われている。
田邉 佳介 :東洋経済 記者