【サンデーLIVE!!特集】”人口減少で地球から最初に消滅する国” 出生率0.72の韓国は日本の未来?
「需要がないので…」幼稚園⇒高齢者施設、結婚式場⇒葬儀場に
南楊州(ナミャンジュ)市にある高齢者介護施設では…。 (施設の院長)「子どもの施設が減少し始めて、韓国も少子化社会となり、需要がないので業種を変更するきっかけになりました」
実はこの施設、元々は幼稚園でしたが、去年、高齢者介護施設にリフォームされました。 (施設の院長)「幼稚園で使っていた教具をそのまま高齢者施設でも認知症予防などのために使っています」 「(Q.『少子化』を実際に感じることは)肌で感じますね。若い層も子どもを1人か全く生まない人が増えています。国も深刻に考えて少子化対策を打ち出していますが、効果は低いようです」 また、韓国では、少子化だけでなく、“未婚率”も上昇中。韓国統計庁の調査によると、30代の未婚率は2020年に男性で50.8%(30年前の約5倍)。女性は33.6%(30年前の8倍以上)となっています。そうした中、かつて結婚式場だった施設が、いまは葬儀場になっているなど、徐々に統計上明らかになっている数字が、実際に街でも表面化してきている印象を受けました。
社会も非婚に順応「非婚手当」導入する企業も
そうしたなか、結婚しない人へこんな配慮をする企業も…。大手化粧品メーカーは2017年、独自に「非婚手当」を導入。“結婚しない宣言”した従業員に対し、50万ウォン(約5万円)を1回、有給休暇10日を付与するほか、ペットがいる人には「ペット手当」を支給していて(毎月約5000円)、これまでに20人余りが制度を利用したと言います。
広がる経済格差「“半地下”はまだマシ…」ビニールハウスで生活する人も
韓国の少子化の背景の一つには“広がり続ける経済格差”があります。それを象徴するのが、ソウル市カンナム区。カンナム区は韓国屈指の高級住宅街と言われ、多くのタワーマンションなどが建ち並んでいますが、その中心部から車でわずか30分移動したところには、今にも崩れそうな家々が立ち並んでいます。カンナム区の外れにあり“韓国最後のスラム街”とも言われる九龍村(クリョンマウル)。約1000世帯が暮らす住居は、ベニヤ板で四方を囲み、シートで雨露をしのいでいます。1980年代以降、事業に失敗したり、家族が離散したりした低所得者が身を寄せているのだと言います。