岩谷麻優が語る年明け早々の大量離脱騒動で残留した理由「スターダムがスターダムじゃなくなると思った」【週刊プロレス】
2024年のスターダムは年明け早々から激震に見舞われた。同団体設立者で当時エグゼクティブ・プロデューサーだったロッシー小川氏は、2月4日の大阪大会で解雇されると新団体「マリーゴールド」を旗揚げ。スターダムからジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣(桜井まい改め)、ビクトリア弓月(弓月改め)が追随した。過去にも引退あるいは新天地を求めて退団した選手は大勢いたが、唯一残った1期生としてスターダム一筋のプロレス人生を続ける岩谷麻優は、2011年の旗揚げ以来最大の“事件”をどのように眺めていたのか。“スターダムのアイコン”に2024年上半期を振り返ってもらった(聞き手・橋爪哲也)。 【蔵出し写真】“スターダムのアイコン”岩谷麻優のデビュー戦
――2024年を振り返っていただきたいのですが、この半年間でも様々なことがあったと思います。何名かの選手が離れていきましたが、岩谷選手は残留を決断しました。それを決めた一番の理由はなんでしょう? 岩谷 一番の理由ですか……小川さんも抜けて岩谷麻優も抜けたら、スターダムがスターダムじゃなくなると思ったんですよね。この2人が抜けたら、スターダムじゃなくなると思ったので。それはやっぱり13年間、スターダムというところでやってきて、スターダムがいま女子プロレス最強の団体になったのに、そこを崩したくない。それを守っていかなきゃいけないって思ったし、下の子たちにも「自分がいればスターダムはスターダムだから」って言えますから。ちゃんとスターダムを守りたかった。それが一番の理由ですかね。 ――もちろん、ほかにもいろいろ思いは駆け巡ったと思います。 岩谷 映画(『家出レスラー』)のこととかもあったんですが、カッコ悪い人生にしたくないっていうのが一番でしたね。もし自分が離れたとしたら中途半端な状態になってしまうし、誰も幸せにならないなって。 ――そうなっていたら映画を見た人も、「あれ?」って思いますもんね。 岩谷 たくさんの大人が関わってくださって完成したのに、そこで当の本人がチャランポランだったら、関わってくれた人たちに申し訳ないし、そんな人生カッコ悪いなって思ったので、ちゃんとすべてを成し遂げたい。スターダムは大丈夫だって自分の中できちんと思えるまではちゃんとスターダムで全うしたいなと思ったんです。先の人生なんてわかんないですけど、今は自分はスターダムに残るって決心したからには、スターダムを全力で盛り上げていくっていうのが自分の頑張るところだと思います。 (つづく) <プロフィル> 岩谷麻優(いわたにまゆ)…1993年2月19日生まれ、山口県美弥市出身。新団体設立に伴う新人募集の危機を見て応募。スターダム1期生として2011年1月23日、新木場1stRINGの星輝ありさ戦でデビュー。2014年7月27日、名古屋大会で脇澤美穂を破って王座決定トーナメント優勝。白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム)を獲得する。翌2015年、シンデレラ・トーナメント制覇。以後、ゴッデス・オブ・スターダム、ハイスピード、ワールド・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダム、SWA世界各王座を獲得。2018年には「5★STAR GP」優勝を果たし、2023年4月23日には横浜アリーナでメルセデス・モネを破って第3代IWGP女子王座に就き、現在も同王座を保持する。愛称は「世界に轟くスターダムのアイコン」。
週刊プロレス編集部