『虎に翼』写真提供＝NHK

　9月9日から始まるNHK連続テレビ小説『虎に翼』第24週、時代は1969年（昭和44年）となり、8年に及ぶ原爆裁判の判決文が読まれた第23週のラストからさらに6年の月日が経過する。高校生だった寅子（伊藤沙莉）の娘・優未はなんと、寄生虫についてを研究する大学院生に。それに伴ってキャストも代替わり。赤ちゃん時代から数えて6代目の優未を川床明日香が演じる。 【写真】白髪もみえはじめた寅子（伊藤沙莉）と航一（岡田将生） 　川床はティーンズ向けファッション雑誌『ニコラ』のモデルオーディションでグランプリを受賞したことをきっかけに芸能界入りした2002年生まれの22歳。2018年に積水ハウスのCM「この日を忘れない」編に起用され注目を集めた。OKAMOTO'Sのハマ・オカモトが出演していることでも話題となったこのCMは、学校帰りの女子高生がふらりと楽器店に入り、思い立ったように店員のおさがりのベースを1000円で購入。ウキウキした気分で家に帰るというもの。ベースを買ってから横断歩道の信号待ちの時にそれをふと触ってみたり、バスの中で小さな男の子に自慢して見せたりとフレッシュでかわいげがある女子高生を演じていたその人こそ、川床である。その後、2019年4月に公開された映画『ピア～まちをつなぐもの～』で演技初挑戦ながらオーディションを経てメインキャストとして出演し、本格的に女優としての活動を開始した。 　朝ドラ本編に出演するのは『虎に翼』が初めてとなる川床だが、実は“朝ドラの現場”自体は初めてではない。朝ドラ第100作目『なつぞら』（2019年前期）の本編終了後に放送された『なつぞらSP 秋の大収穫祭』内のスピンオフドラマ『十勝男児、愛を叫ぶ！』にて川床は、戸村菊介（音尾琢真）とカナ子（中島亜梨沙）の一人娘・公英を演じている。 　撮影は『なつぞら』本編と並行して行われており、川床は放送前のインタビューで「みなさんが1年間かけて築いた作品に途中から参加させていただくので、どれだけ自分の役を作り上げることができるか、必死に考えて望みました」と語っている。（※）この点で、最終回まであと3週という中で出演することとなった『虎に翼』と似通ったところがあるかもしれない。 　さらに川床は『十勝男児、愛を叫ぶ！』で演じる公英の性格をしっかり分析した上で「現場で音尾さんと中島さんが台詞を交わすシーンを観て、スッと腑に落ちるものがありました」とも語っている。どうやら周囲の演技もみて役に“入り込む”こともできるようだ。 　『虎に翼』でこれまで毎田暖乃が演じた優未を引き継ぎながら、さらに大人になった優未を演じるのは演技力が問われやすく、プレッシャーも感じることだろう。川床のキャラクターを分析して演技に臨む真摯な姿勢と『十勝男児、愛を叫ぶ！』での経験をもとに、寅子を演じる伊藤沙莉や星家の人々を演じる岡田将生や余貴美子のようなベテラン俳優たちとともに、よりキュートでパワフルな優未の姿を作り出すことに期待だ。 　ちなみに、川床は好きな女優として、朝ドラ『べっぴんさん』（2016年後期）でヒロインを務めた芳根京子や、『わろてんか』（2017年後期）でヒロイン・てん（葵わかな）の妹・りんを演じた堀田真由の名を挙げている。『虎に翼』でどのような演技を見せるのか、そしてこれをきっかけに川床が女優としてどのような飛躍を見せるのか楽しみだ。 参考 ※ https://realsound.jp/movie/2019/11/post-439660.html