アートとビジネスの越境:創造性と独自性で切り拓く米国アーティストの挑戦
創造性と独自性がすべての中心となる世界を見据えて
異なる領域として分断されていたアートとビジネスの境界が、徐々に溶け合い、相互に影響を与え合うことで、新たな価値を創造していく世界を私は夢見ている。アートの創造力と感性、ビジネスの戦略と効率、そしてテクノロジーの革新性が一体となり、これまでにない革新的な体験やプロジェクトが生まれていく時代を作りたい。その時代の象徴としてケヴィンの姿が映る。 ケヴィン:私は、創造性と独自性がすべての中心となる世界を見据えています。そして、アーティストのようにユニークであることが経済的な価値につながるということを証明することを、BEAFで実証できればと思います。アーティストだけでなく、アートの実践者や組織をサポートするシステムも、独自性と最高品質を提供することで経済的な合理性を実現できる方法があると信じています。 ニューヨークだけでなく、日本国内でも彼のアート活動に対する注目が急速に高まっており、新たなプロジェクトも進行するという。また、彼はコレクターとしても、日本には若手から中堅に至るまで、隠れた才能を持つ素晴らしいアーティストが数多く存在すると評価している。 彼が関わるBEAFは、日本のアーティストの作品を収集するだけでなく、コラボレーションをはじめとした様々な形でのサポートに力を入れていくそうである。 ケヴィン・ハイスナーは、アート、ビジネス、テクノロジーを巧みに融合させ、新たな価値を創り出している。創造性と独自性こそが価値を生む原動力であることを実感する。創造性/クリエイティビティの重要性は様々な場所で語られてきているが、これからは独自性/ユニークネスに注目すべきなのかもしれない。日本には、「ガラパゴス化」と呼ばれる独自の進化を遂げる力がある。この日本独自性を潰さずに、アート、ビジネス、テクノロジーの領域をしなやかに融合していくことで、面白い未来が作れるのではないか? 未来へのヒントが散りばめられている取材だった。読者の皆様もケヴィンの言葉から何かを掴んでいただけていれば幸いである。
西村真里子