TikTok クリエイターはフードコンテンツにますます傾倒。なぜ「料理」はウケるのか
飽和の危惧なし
現在、フードコンテンツは平均視聴数およびエンゲージメントに関して、他のバーティカルに比べて倍の勢いという、想定を上回る伸びを見せていると、インフルエンサーマーケティングエージェンシー、インフルエンシャル(Influential)のCEO、ライアン・ディタート氏は話す。そして、銀行から器具メーカーまで、あらゆるバーティカルがフードコンテンツクリエイターとの提携機会を探し求めている、と。同分野が成長株に見えるのは当然だ。ただし、フードというジャンルの民主化が進むにつれて、参入するプレーヤーの数が増えている、という事実もある。 自分にも料理はできると、誰もが自負しており、それゆえ、手っ取り早く現金を手に入れる手段としてフードコンテンツ制作に手を出す者もいると、ジ・インフルエンサー・マーケティング・ファクトリーのボグリアリ氏は話す。言い換えれば、インフルエンサーエージェンシーとクライアントであるパートナーは、両者の適合を確かなものにするため、ブランドパートナーシップに対する意識を高める必要がある。 失敗事例:ブルックリン・ベッカム氏はソーシャルメディアシリーズを立ち上げた際、激しく批判され、ニューヨークポスト(New York Post)の「ブルックリン・ベッカムの料理番組は問題あり:ずぶの素人」をはじめ、辛辣な見出しが散見された。 もっとも、フードコンテンツ制作熱が高まるなか、飽和の危惧もなければ、料理チャンネルを持つインフルエンサーの過剰問題も起きないだろうと、エージェンシー幹部らは話す。くり返すが、それはつまり、インフルエンサーエージェンシーとクライアントであるパートナーには、不適合なパートナーシップやインフルエンサー災禍を避けるため、ブランドパートナーシップに対してより慎重な姿勢が求められる、ということだ。トランスジェンダーインフルエンサーのディラン・マルバニー氏との提携で猛烈に非難されたバドライト(Bud Light)の失策はその典型例だと、エージェンシー幹部らは話す。とはいえ、とどのつまり、フードは多くのバーティカルにとって普遍的存在だと、ディタート氏は評する。 「我々は数時間おきに空腹になる。つまり、フードは文字どおり貪欲なバーティカルにほかならない」と、ディタート氏はeメールで指摘する。「フードはどのカテゴリーとも結びつけられるし、優れたアーティストはサンドイッチアーティストにもなりうる。だからこそ、我々はフードにはまるのだ」。 [原文:TikTok creators are increasingly tapping into food-centric content ─ and brands are following] Kimeko McCoy and Julian Cannon(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)
編集部