「落合もキレています!」40歳落合博満もケンカに…「危なすぎるデッドボール」大乱闘で“指2本骨折&3人退場”…野村ヤクルトvs長嶋巨人、最悪の夜
ジャブ、右アッパー…大乱闘で“指2本骨折”
1994年5月11日、神宮球場でのヤクルト対巨人戦は荒れた。2回表にヤクルトの西村龍次が投じた速球が、打席の村田真一の側頭部を直撃。ヘルメットにヒビが入る衝撃だったが、村田は一度立ち上がりマウンドへ向かおうとするも、その場に昏倒して担架で運び出される。ヤクルトは攻守の要、キャッチャーの古田敦也が故障離脱中で、苦しい戦いの続く野村克也監督は「巨人が独走しているのは、(正捕手の)村田がよくなったから。村田をつぶせば勝てる」と戦前に発言していた。 球場は騒然となり、今度は3回裏に巨人の木田優夫が打席に入った西村の尻にぶつけ返し、怒りのノムさんが球審に抗議。両軍ヒートアップして迎えた7回表、再び西村がダン・グラッデンの顔面付近にブラッシュボールを投げてしまう。右打席でヘルメットを吹っ飛ばしながら避けるも、この一球で“カリフォルニアの暴れ馬”と呼ばれた元メジャーリーガーの怒りに火が付いた。 マウンド上の西村を威嚇した直後、止めに入った捕手・中西親志にジャブからの右アッパーを食らわせ両軍入り乱れて揉みくちゃの殴り合いに。結局、グラッデン 、西村、中西と当事者は全員退場処分。派手に立ち回った36歳の助っ人は、出場停止処分12日間と同時に右手親指と左手小指を骨折して長期戦線離脱という、あまりに大きな代償を払った。後日、セ・リーグのアグリーメントが現代まで続く「頭部顔面死球があれば、投手は即退場」と改められたわけだが、グラッデンはメジャー時代にもチームメイトと取っ組み合いの喧嘩をして指を骨折している気性の荒いファイターで、来日直後に前年から続く両チームの死球合戦を聞かされていたのだ。 試合後の興奮気味な長嶋監督は「目には目ですよ!」と過激なコメントを残したが、7回の乱闘では珍しく落合もその輪の中心に駆け寄り、ヤクルトの選手を集団から引きはがした様子がフジテレビのナイター中継で映され、「落合も怒っています!」 と実況アナウンサーは伝えた。強打者に死球はつきものだが、落合はこの騒動について、のちに自著でこう書いている。 「経緯は別にして、ピッチャーが投げてくるときの目線で故意か過失か判断できる。マスコミの『遺恨』でどうこうという見方はちょっと当てはまらないわけだよ。(中略)村田に対する西村のデッドボールは故意に狙った雰囲気ではないんだよ。ただ、それまでの経緯があって、しかも村田はキャッチャーというチームの要で、あの当時よく打っていた。だから、それをつぶしちまえということであの球を投げた、と思われてもしようがないけれどね」(激闘と挑戦/落合博満・鈴木洋史/小学館)
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