『タコ』の価格高騰 スーパーではマグロ並みの価格に “悪魔の魚”から人気食材で日本が買い負けも
■パレスチナ情勢が悪化し輸送費が高騰していることも影響
タコの価格高騰の背景には、不漁のほかにも、専門家は海外でのタコ需要が高まっていることがあるといいます。 【東海大学海洋学部 山田吉彦教授】「タコの美味しさをですね、世界中の人が知ってしまいました。国際的な競争になってしまって、海外のバイヤーに対して、日本の消費者が買い負けているということがあります」 海外でタコは“デビルフィッシュ”とも言われ食べる文化がなかったそうですが、近年はシーフードとして食べる習慣が広まってきているということです。 また日本では、モーリタニアやモロッコから輸入されたタコが多く食べられていますが、山田教授はパレスチナ情勢が悪化し輸送費が高騰していることも一因だと指摘します。 【東海大学海洋学部 山田吉彦教授】「スエズ運河を通る船、危険だということで自粛する会社が多くありました。アフリカに回る航路を選ぶ会社が多くなっています。 そうするとアジアに来る時間というのが2週間から長くて1カ月くらい余計にかかってしまう」
■「タコマイレージ制度」や人工的にふ化させた稚ダコを放流などの対策も
海外から輸入されるタコの価格高騰に、日本有数を誇る明石のタコの漁獲量減少。 明石でタコが減っている理由の1つとして釣り客が増えたことも背景にあります。 こうした状況を少しでも改善しようと、明石市の漁業組合などは新たな取り組みを実施しました。 その名も、「タコマイレージ制度」。 釣り客が釣ったタコを放流するとその数に合わせてポイント還元し、ステッカーなどと交換することができます。 ほかにも人工的にふ化させた稚ダコを放流するなど漁獲量の減少に歯止めをかけようとしています。 【西二見漁業協同組合・松本久進代表理事組合長】「1年2年、そんなそんな短いスパンで増えることはないと思う。 釣り人らで漁師も何かプラスになるようなことやっていきながら、増やしていけたらなと思います」 関西の名物に欠かせないタコ。 “庶民の味”が今後、手の届かない存在になってしまうのでしょうか。