年収400万円の会社員。親に「ローンでプリウスを買う」と話すと、「借金するなら自分が貸す」と言われました。借金ってそんなに悪いことですか? 住宅購入でみんな「借金」してますよね?
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
ローンやクレジットを利用して借金する上での注意点は?
それでは、ローンなどを利用する上での具体的な注意点はどんなものがあるのでしょうか。 まず、ローンといっても無尽蔵に借入できるわけではありません。借入可能額に大きく影響するのは、返済の原資となる年収です。 年収以外にも、現在の負債や資産の状況、あるいは雇用形態、会社への勤続年数なども借入の審査項目になります。そのため、どれくらい借入が可能なのか一概には言えませんが、車のローンでは年収以上の借り入れは難しく、年収の30~40%程度が上限と言われています。また、年収に対する年間の返済額の比率も25~35%ぐらいの範囲です。 年収400万円の人であれば、120万円から160万円程度が借入可能額、年間の返済額は100万円から140万円になります。あくまでも1つの目安ですが、車の購入を計画的に進め、家計に無理を生じさせないためにも、これらの金額を念頭に計画を立てることが大切です。 プリウスは、新車の車体価格で300万円以上することが多く、これに諸経費などがかかります。さらに、購入後の維持費も考えれば、年収400万円の人がプリウスを購入する際は、ローンだけに頼らず、ある程度の頭金を用意するのが賢明かもしれません。 また、今後住宅の購入を検討している人は、車のローン残高が住宅ローンの借入可能額に影響します。車のローンと住宅ローンの併用は可能ですが、その際重視されるのは、前記した年収に対する返済比率です。 2つの借入額トータルで年収の25%~35%程度とされるため、車のローンの借入が多いと、必然的に住宅ローン設定可能額は小さくなります。そのため、車と住宅両方でローンの利用を検討している人は、双方のバランスを取り、無理のない範囲で予算を組むことが重要です。
まとめ
2人以上の世帯では、約4割の世帯がローンやクレジットを利用した負債を抱えており、新車の購入に際しても同様の傾向が見られます。手持ちの資金がなくても、商品が手に入るため、ローンやクレジットの利用には合理性もあるでしょう。 しかし、負債に変わりはなく、利息も含めた返済が大前提であり、負担が大きすぎて払えなくなったり、その後の生活に支障が出たりしては本末転倒です。これからローンなどを利用して車を購入する人は、無理のない返済を念頭に、車種だけでなく、新車にするのか中古車にするのかも含め検討してみてはいかがでしょうか。 出典 総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編) 2023年(令和5年)平均結果(二人以上の世帯) 一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部
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