尹錫悦大統領の逮捕状「6日までに執行」 韓国高捜庁が表明
韓国の高官犯罪捜査庁（高捜庁）は1日、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の逮捕状について、有効期限の6日までに執行する方針を明らかにした。尹氏側は反発しており、大統領警護庁が逮捕に抵抗する可能性がある。 【図解】過去にも退任後に逮捕、有罪… 主な歴代韓国大統領 高捜庁の呉東運（オ・ドンウン）長官は1日、「公邸の門などを開けず、逮捕状の執行に応じなければ公務執行妨害に当たると認識している」とけん制。警護庁に対して「厳しく警告した」とも述べ、「反対があっても私たちは適法な手続きを取る」と強調した。逮捕状の執行時期については明らかにしなかった。 また、公邸周辺で尹氏の支持者らによるデモが行われていることについて「過度な反対がないことを願う」と述べ、万一の事態に備えて警備を強化するとしている。尹氏側が逮捕状の効力停止を求める仮処分を憲法裁判所に申請したことについては「適法な権利救済の手続きではない」との見方を示した。 ソウル西部地裁は12月31日、内乱を首謀した容疑で尹氏に対する逮捕状を発付。韓国で現職大統領の逮捕が認められるのは初めてで、警護庁は「合法的な手続きによる警護措置を取る」とのコメントを出していた。 尹氏の弁護団は、高捜庁が警察機動隊を逮捕状執行に動員しようとしていることについて、警察機動隊は公共秩序の維持と治安活動が任務で、「捜査への補助は権限外だ」とするコメントを発表した。弁護団は、逮捕や捜索令状は高捜庁が執行しなければならず、警察機動隊が執行に関係する行為をした場合、「法律違反だ」と反発した。【ソウル日下部元美】
