仲野太賀さんが「成り金ドクター」に変貌。愛欲渦巻く街・歌舞伎町が舞台の救急医療ドラマ
7月3日(水)22時から、愛欲渦巻く街・歌舞伎町での救急医療ドラマ『新宿野戦病院』が放送されます。宮藤官九郎さんがオリジナル脚本を手がける本作では、小池栄子さんと仲野太賀さんがW主演に抜擢。仲野さんはチャラチャラした美容皮膚医・高峰 享(とおる)を演じます。今回は作品のリアルな世界観や、役づくりへの意気込みをお聞きしました。
「ヨウコに感化され成長する享を丁寧に演じていきたい」
新宿歌舞伎町を舞台に、“命”をテーマにした新しい救急医療エンターテインメントドラマ『新宿野戦病院』が7月3日からスタート。宮藤官九郎さんによるオリジナル脚本で、小池栄子さんと仲野太賀さんがW主演を務めます。小池さんはアメリカ国籍の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマンを、仲野さんは美容皮膚科の医師・高峰 享(とおる)を演じます。 「宮藤さんの脚本はユーモアにあふれていながらも、その本質はヒューマンドラマであり、根底には社会派の骨太なテーマが流れています。本作の舞台は新宿歌舞伎町ですが、日本社会に通底する不条理や義憤が描かれていると感じました。昨今は社会の風潮として、偏見や差別で人をカテゴライズしてしまいがちですが、本当の公平さとはどういうものか、命の重さに変わりはあるのかなどをこのドラマは問いかけていると思います。ここまでユーモアをはらみつつも、社会的にリアリティーのある脚本は宮藤さんならではです」 物語の舞台は、新宿歌舞伎町の路地にひっそりと立つ診療所「聖まごころ病院」。土地柄、救急外来を訪れる人の多くはホストや風俗嬢、ホームレスやトー横キッズ、外国人難民など、ワケありの患者たち。享は診療所の院長の甥で、夜は「聖まごころ病院」で麻酔医の勉強をしていますが、昼は週3で港区にあるビューティクリニックで働いているという役どころ。 「享はチャラチャラした成り金で、医師としての使命感より、お金を稼ぐことを第一に考えている男。だから、『聖まごころ病院』で必要とされる手術や治療に関して、知識もなければ経験もない。しかも、いつも高価なブランドのスーツばかりを着ているので、オペで血がつくのをすごくイヤがったりするキャラクターです(笑)」 そんな「聖まごころ病院」に、破天荒ではあるものの、戦地で軍医としての経験をもち、人の命の重さに変わりはないという信念をもつヨウコがやってきます。ドラマはそこから始まる診療所内でのいざこざや、ワケあり患者の人生をとおして、命や家族、仲間の尊さを描いていきます。 「享は初め、自分は『聖まごころ病院』の医者ではないという認識でいます。でも、次々と患者がやってきて、どんどん巻き込まれ、やらざるを得ない状況に。新宿歌舞伎町はいろいろなバックボーンをもつあらゆる人種、あらゆる人間がいて、その濃度が濃い。いわば、今の日本の縮図といえます。そんな状況で、戦地をくぐり抜けてきた強さや自由さをもつヨウコさんに影響され、これまでまったく違うカルチャーで育ってきた享は感化され、成長していきます。そのさじ加減も丁寧に演じていきたいと思っています」 滑稽で、ほろりとさせられる、リアルな人間たちの物語。心をわしづかみにされるに違いありません。
ESSE編集部