第10回ふくしま産業賞 特別賞 郡山中央交通グループ(福島県郡山市) 自転車載せバス観光
自転車を解体しないでバスに載せ、人と一緒に運ぶ専用バスを開発した。バスで自宅から遠く離れた観光地などに移動し、すぐにサイクリングを楽しめる仕組みだ。自転車と観光を結び付けた「サイクルツーリズム」を推進する。 大型バスの後部座席を取り除き、自転車を固定する専用スペースを設置した。自転車を折り畳んだりタイヤを外したりする手間が不要となる。バス1台に自転車20台を載せることができ、約20人の利用者が自転車と一緒に移動できる。 コロナ禍で多くの人が施設などの屋内で楽しむことが難しい状況となった。「感染リスクの少ない屋外で新たな旅行の楽しみ方ができないか」という発想が専用バスを開発したきっかけだった。試行錯誤の結果、2021(令和3)年に導入した。全国高校総体(インターハイ)に出場した学法石川高自転車部の送迎にも携わった。 福島県の郡山中央交通の桑原秀治会長兼社長(61)は「貸し切りバス事業の強みを生かし、今後も新しい取り組みを考えたい」、郡中トラベルの曽部紀彦社長(56)は「浜通りのナショナルサイクルルート認定を後押しするためにも観光事業を推進する」と意気込む。
メモ ▽創業=2001(平成13)年5月 ▽会長兼社長=桑原秀治 ▽従業員数=102人 ▽住所=郡山市安積町日出山3丁目280 ▽電話番号=024(953)4884