疲れがなかなか取れないなら「鹿茸大補湯」【薬剤師が教える漢方薬辞典】
ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。 写真はこちらから→疲れがなかなか取れないなら「鹿茸大補湯」【薬剤師が教える漢方薬辞典】 そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 今回のテーマは、「鹿茸大補湯(ろくじょうだいほとう)」です。 あんしん漢方(オンラインAI漢方)所属のヨガインストラクター、高橋かなこさんに教えてもらいました。
鹿茸大補湯はどんな方におすすめ?
漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。 体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。 そのなかでも、鹿茸大補湯はどんな方におすすめなのでしょうか? 具体的に見ていきましょう。 1.冷え性の方 鹿茸大補湯には「温腎補陽」の働きがあるといわれており、体を温める効果を持つ生薬のニンジンが含まれています。 これが体全体の代謝を高めるのに役立ち、手足の冷えの解消に効果が期待できます。(※1) 2.疲労感がなかなか取れない方 胃腸などの消化器系を健康にする「健脾益気」の作用を持ち、全身のエネルギーを高めるのも、この漢方薬の効果のひとつです。 そのため「疲れがなかなか取れない」「食欲がない」「胃腸の調子が悪い」方にもおすすめです。(※1) 3.肩こりやめまいにお悩みの方 生殖器系や泌尿器系の働きをよくして、精気を益す「補腎益精」の働きにより、「肩こりや腰痛が気になる」「めまい、耳鳴りがする」「精気がない」といった症状にも効果が期待できるでしょう。(※1)
鹿茸大補湯と併せて行いたいストレッチ
倦怠感があるときは、身体的に疲れているだけでなく、自律神経が乱れている可能性もあります。 そのため、ストレッチで体をリラックスさせて自律神経を整えることも大切です。 ストレッチを行う際のポイントは「呼吸」です。 吸う息でおなかを膨らませ、吐く息でおなかをへこませる「腹式呼吸」を行うことで、副交感神経を優位に働かせます。 これにより、体をリラックスモードに切り替えやすくなります。 今回は、お風呂上がりや寝る前に行いたいストレッチをご紹介するので、ぜひ、漢方薬と併せて試してみてください。 1.脇腹を伸ばすストレッチ (1)左ひざを伸ばして右ひざは曲げる。 (2)左手で右ももを抑えて、息を吸いながら右手を上げる。 (3)息を吐きながら上半身を左に倒す。 体が前に倒れないように真横に倒すことを意識する。 (4)30秒キープして反対も行う。 2.寝ながら股関節ストレッチ (1)仰向けになり、左右の足裏同士をくっつける。 (2)かかとを上に引き寄せる。 腰が浮く場合は、太ももの下にタオルなどをはさむ。 (3)不安でなければ目を閉じて自然な呼吸を繰り返す。