【米国株ウォッチ】インテルは成功の分水嶺に立つ、株価3倍達成に必要な条件
2026年までに純利益率が約20%まで上昇する可能性
・その2:AI向け製品ポートフォリオ インテルはまた、AI向け半導体のGaudi 2や、今後投入されるGaudi 3などによりこの分野の強化に取り組んでいる。Gaudi 2の価格は約6万5000ドル(約920万円)で、これはエヌビディアの同等製品の約3分の1の価格だ。この分野はエヌビディアが大きくリードしているが、それでもインテルはPC向けAIチップのLunar Lakeを始めとするAI向け製品ポートフォリオの拡充を進めている最中だ。 インテルは2024年におけるAI向け製品による売上を40億ドル(約5644億円)と予測しており、その内Gaudi 3による売上貢献は5億ドル(約705億円)程度になると見込まれている。仮にこうした新しいAI向け製品が顧客に受け入れられれば、インテルの収益がさらに押し上げられる可能性もある。 ・その3:ファウンドリー事業 インテルのファウンドリー事業も、同社にとって最も先進的なプロセスノードであるIntel 18Aの展開によって好転する可能性がある。Intel 18Aによる製造が始まるのは2025年と予定されているが、8月上旬、インテルはIntel 18Aについて重要なマイルストーンに到達したと発表しており、その準備は順調に進んでいると考えられる。こうした先進的なプロセスノードの展開は、インテル製CPUやAIチップの競争力強化に役立つだけでなく、同社のファウンドリー事業にとっても追い風となるはずだ。2025年前半には、Intel 18Aを使用して外部顧客から委託されたチップの製造が開始される予定であり、これも同社の収益を押し上げるポテンシャルがある。 ■利益率が改善する可能性は? インテルの調整後純利益率は低下傾向にあり、収益の減少と市場シェアの低下を背景に、2021年(およびその前の数年間)に記録した28%超の水準から2022年には約11%まで低下した。また、2023年には収益のさらなる減少とファウンドリー事業での大幅な損失により、わずか約8.5%に低下した。 しかし、上記で述べたような複数のトレンドが回復を示唆しており、純利益率は2026年までに約20%まで上昇する可能性があると私たちは考えている。なぜか?