より早く“市船の選手になる”ために1年生から高い基準設定。市立船橋が2位、初のU-16全国進出で新たな成長の機会を獲得
[9.7 関東ROOKIE LEAGUE U-16 Aリーグ第9節 前橋育英高 2-0 市立船橋高 時之栖裾野G] 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 最終節で優勝チームの前橋育英高(群馬)に0-2で敗れたが、市立船橋高(千葉)は第3節から5連勝を記録するなど前節(第8節)まで7戦連続不敗。「関東ROOKIE LEAGUE U-16」Aリーグ2位に食い込み、“U-16全国大会”のミズノチャンピオンシップ(12月)初出場を決めた。 全国優勝計15回の名門・市立船橋はかつて、日本代表FW鈴木唯人(現ブレンビー)らも関東ROOKIE LEAGUE U-16を経験。その一方、例年はAチームやBチームの公式戦に係わる1年生が多く、この大会は次の選手たちの強化の場となっている。 この日もトップチーム昇格組が不在。だが、今年は波多秀吾監督が「(少しでも早く)市船の選手になって欲しい」と普段から1年生らトップチーム以外のカテゴリーを指導する時間を増やし、球際・切り替え・運動量の三原則やピッチ外から、“市船の基準”を求めてきた。 チームは昨年度の選手権で惜しくも3位に。選手権制覇やその先のステージで活躍するためには、1年時から成長速度をより上げていかなければならないことを痛感させられた。高い基準を意識して日常を過ごし、波多監督も「夏の合宿やトレーニングで逞しくなった」という1年生は関東ROOKIE LEAGUE U-16で結果。U-16全国大会という先輩たちが経験していなかった成長の機会を勝ち取ることに成功した。 CB奥田郁哉は「やっぱり今年も何人かAチームに行ってはいたんですけど、こっちに残ったメンバーで絶対全国行くぞっていう気持ち持ってやってたので、それが全国に繋がって良かったかなと思います」と頷き、右SB菊池瑠斗も「誰が出ても負けないというか、全員で勝っているっていうところがいいと思います」と語った。 この日は拮抗した展開で競り負けたが、技術力の高い選手が多く、強豪対決でもボールを保持しながら主導権を握る力がある。その一方で菊池が「まず個人で負けない、気持ちで負けないっていう市船としてプライドがある」というように、一人ひとりが戦う姿勢を表現。CB矢部翔太郎と奥田郁、GK牧野澪音ら後方も安定し、リーグ最少失点もU-16全国切符獲得の原動力になった。 ただし、選手たちに満足感はない。同じ1年生のDF篠崎健人やMF田中優成がトップチームで先発。U-16日本代表やU-15日本代表候補にも選出されている。上を見て切磋琢磨。そして、1年生から全国大会で勝つ経験をする意気込みだ。菊池は「(ミズノチャンピオンシップで)目指してるのは優勝」と宣言し、奥田郁は「全国行ったりすると、前育とか他の高校も強いところ出てくると思う。今日負けてしまったんですけど、次は絶対勝てるようにやっていきたいと思います」と力を込めた。 2年前のミズノチャンピオンシップで優勝した帝京長岡高(新潟)と同準優勝の神村学園高(鹿児島)が今年のインターハイでいずれも4強以上。自分たちもU-16全国大会で結果を残し、2年後の成長、飛躍に繋げる。