過去一ダーク…『民王R』第5話から想起した実在の事件とは? ”泰山”の姿に背筋が寒くなったワケ。考察レビュー
貝原(高橋一生)と冴島(あの)、毒舌コンビの共演は果たして…?
さて、かなりダークだった今回、視聴者のテンションをおおいに上げたのが、貝原(高橋一生)。困った時の神頼みならぬ、貝原頼みで、官房長官のカリヤン(金田明夫)は、彼に電話をかけて助けを求める。 貝原は毎回なぜか過酷な旅、しかも過酷なピンチの真っ只中だ。1話では、ものすごく標高の高そうな山に登山中でにっちもさっちもいかない状態。3話では遭難すれすれ、吹雪が吹き荒れる雪山の洞窟。そして今回は、水圧に耐え切れず水漏れしている潜水艦――。 出るたび生と死の狭間、メメントモリ状態な彼なのだが、そんななかでも繰り出すアドバイスは適格。 5話も、水がブシャブシャ漏れ、潜水艦の危険ブザーが鳴り響く中、カリヤンに、 「不祥事の追求をのらりくらりとかわすだけだったら、聞こえたことをそのまま繰り返すだけでじゅうぶんです。誰かに言われたことを言われたまま喋る政治家なんてバカでも務まりますからね」 と超皮肉を添えて助言。どこまでも出来た(元)秘書である。 次回はどこで、どんなデンジャラスな旅の様子を見せてくれるのだろうか。ただ、公安の新田理(山内圭哉)の情報によると、今回の入れ替わりテロは、AIやAIを使った仮想空間に携わる「ナリタカンパニー」があやしいという。 もしかして貝原さん、一足早くナリタカンパニーに潜入中で、旅も実は、バーチャルの旅!? そんなわけはないか…。 どちらにしても、最終回、貝原さんが総理官邸に合流するのを願う。冴島(あの)との毒舌子弟タッグで、泰山をフォローするシーンが見たい! 【著者プロフィール:田中稲】 ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。
田中稲