20歳長女と再会・高橋ジョージ(66)「パパは一人じゃない」に救われた10年間…孤独と後悔、そして新たな「ロード」の始まり
娘の絵に支えられた10年「パパは一人じゃないよ。泣くな。頑張れ」
家族で住むために建てた家に一人で暮らす高橋。この10年の孤独を支えたものは、娘が描いた絵だ。 ――この絵はなんですか? 高橋:これを支えに生きてきたというか。これは(娘が)出ていく前に“パパにメッセージ”“パパは一人じゃないよ。泣くな。頑張れ”って。娘が描いてくれた絵。 ――10年間そのままにしてきたんですね。 高橋:まんまです。よく消えなかったなと。変な話、1時間に1回は思い出すよ。あれ?本当に俺結婚してたっけ?とか。あれ本当に子どもいたっけ?って思う瞬間があるんですよ。その時は絵を見て確認するというか。励ましになります。
事務所に届いた娘からのメール…そして再会へ
「娘にいつか会える」。そう信じていた高橋のもとに届いたのは1通のメールだった。 高橋:こんなことあるんだなと思ったけど、ちょうど10年目の2024年3月23日に事務所のメールを開いたら、娘の名前でメールが来てたのよ。「これなりすましかな?」と思ったけど、「お元気ですか?」みたいな、他人行儀なメールだったけど。「その後、会ってませんけど」みたいな。そして東京でちょっと暮らしてみようかって。 ――会えたわけですね。 高橋:会えた。 ――どんなふうに過ごしたんですか? 高橋:ちょうどここにソファあるんだけど、ここに布団を敷いて、とりあえず寝てたよね。 ――自分の子どもだって認識できたんですか? 高橋:認識できないよね。駅で待ち合わせしたんだけどさ、声かけられても、「ああ、君そう?」みたいな感じで。
「奇跡続いている」THE 虎舞竜の再始動
娘のレノンさんと10年ぶりに親子の時間を過ごした高橋。再会はそれだけではなく… 高橋:20年前にバンドから一回距離を置いたギターとピアノの人間が連絡取れて。これは奇跡続いているぞと。それで、「年内に1発ライブやりたいね」って。 高橋の呼びかけで、「THE 虎舞竜」の初期メンバー・本間さん、ターナーさん、田中さんが20年ぶりに勢揃い。一度は方向性の違いで離れたメンバーが再び集結することを決めた理由は… 本間:俺がやめてからも、自分の個人のライブにファンの方が来てくれて。そういうのが何年か続いて、それでジョージから連絡が来たから、一つはファンの皆さんに恩返しって言ったら偉そうですけど。 唯一、高橋のもとに残り、マネージャーとしても支えていたベースの田中さん。元々、THE虎舞竜の前身のバンドのファンだったこともあり、感動もひとしおだという。 田中:ジョージさんが本間さんに連絡して、本間さんが「いいよ」って言ってくれた事が、僕にとってはとんでもない驚きで。今まで夢のようにボワ~っとしてたモノが現実になるのかなって。実感がまだ僕はないんです。 ――久しぶりに会ってどうでした? 高橋:飲みに行きました。楽しく。 一言で言ったら、みんな色々あったのよ。会ってない時もきっと。だって全員が同じ時間過ごしてるんだから。だから、今度やるんだったら、楽しくやりたいなって。だって売れたじゃん。ツアーも回ったじゃん。「もう一回あの時のように」じゃないんだよ。 ターナー:そこですね一番は。一番は楽しくやることが。 高橋:だから距離感っていうか、大人になったっていうか、ジジイになったというか。これ以上寄ったら傷つくんじゃないかとか、分かるんじゃないかな。いい塩梅なんじゃないかな。体力がついてこないけど(笑)。 「THE 虎舞竜」の再始動ライブは12月21日。それまでに離れていた時間の隙間を埋めるため、演奏と心をチューニングしていった。