鈴鹿サーキットに歴代F1が集結、ホンダF1の歴史を振り返る
逆境から始まる第4期
2013年5月、ホンダは2015年シーズンからマクラーレンと共にF1へ復帰することを発表しました。2015年のF1には市販車などにもつながるハイブリッドシステムなど、環境技術が多数盛り込まれます。ホンダはF1を通じ、技術者を育成したいという意向がありました。 一方、マクラーレンは1995年からメルセデスとエンジンで提携しており、一時はワークスチーム相当の扱いを受けて優遇されていたものの、2010年にメルセデスが自社ワークスチームを持ったことで関係が変化。よりチームからの要求が通りやすいワークスチーム扱いを受けられるエンジンメーカーを探しており、その中でホンダに白羽の矢が立ちました。皮肉にも、かつてホンダが売却したチームが復帰のきっかけを作ることになったのです。 今回の参戦では、ホンダはエンジン本体の他にブレーキをかけた際に発生した運動エネルギーやエンジンの排気熱を電力エネルギーに変換し、加速時にモーターでエンジンを補助する「エネルギー回生システム」なども供給します。これら動力周りのシステムは総称して「パワーユニット」と呼ばれています。 2014年11月、2014年マシンにホンダ製パワーユニットを搭載したテストマシンのMP4-29Hがイギリスのシルバーストーンサーキットでデビュー。翌2015年1月には今シーズン用のMP4-30を発表、ドライバーはかつてホンダで活躍したジェンソン・バトンとフェラーリから移籍したフェルナンド・アロンソというチャンピオン経験者コンビとなりました。 2月からはスペインで本格的にシーズン前の合同テストが行われました。しかし、さまざまなトラブルが発生して周回数を重ねられなかった他、フェルナンド・アロンソがテスト走行中のクラッシュにより開幕戦を欠場するといった逆風の中にあります。 果たして新生マクラーレン・ホンダはこの困難をどのようにして乗り越えていくのか、といった点も今シーズンのF1の見どころと言えましょう。