【日本市況】金利上昇、トランプ氏勝利で財政懸念-けん制で円安一服
入札結果によると、最低落札価格は99円08銭と、市場予想99円10銭を下回り、小さいと好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は4銭と前回の2銭からやや拡大した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.13倍と、前回の3.53倍から低下した。
新発2年債利回りは0.50%、新発40年国債利回りは一時2.61%に上昇し、ともに約16年ぶりの高水準を更新した。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
東京外国為替市場では円が一時1ドル=153円台後半まで上昇した。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「特に材料はなく、ポジション調整以外は考えにくい」と指摘。トランプ氏の勝利でドルは上値を試しにいったが、押し返されており、「トランプ氏の勝利ではしゃいだ分、少し落ち着いてきたということだろう」と述べた。
三村財務官の円安けん制発言に加え、9月の所定内給与が1993年1月以来の高い伸びとなって早期利上げ観測も高まり、円は午前中から買われていた。
三村財務官は7日、為替相場で円安が進行していることを受け、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取ると市場をけん制した。財務省内で記者団に語った。厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、9月の所定内給与は前年同月比2.6%増となった。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、やや円高に振れているのは利益確定のドル売りだろうと指摘。トランプ氏の大統領選勝利で「流れは完全にドル高になっており、三村財務官の発言も賃金の上昇も円安抑制にはあまり効いていない」と語る。短期的にドルは155円を付けにいき、年内に160円を目指すとみる。
株式
東京株式相場は金融株が買われてTOPIXが上昇。トランプ氏勝利で関税や輸出規制を巡る懸念から半導体関連銘柄が安く、日経平均株価は下落した。
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