ロシア軍の1個大隊がクルスク州で全滅、北朝鮮兵含む400人が死傷か
ロシア・北朝鮮連合軍は先週、ウクライナ軍が侵攻しているロシア西部クルスク州の村を奪還しようとした一度の試みで、400人ほどの兵士を失った可能性がある。 【画像】ソーシャルメディアで共有されているロシアの部隊がウクライナ軍の歩兵や戦車、ドローンの攻撃を受ける動画 ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は4日のビデオ演説で、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官からの報告を伝えた。そのなかで「きのうときょう、クルスク州のマフノフカ村付近で行われた戦闘で、ロシア軍は北朝鮮兵とロシア空挺兵を含む、最大で1個大隊規模の歩兵を失いました。これははっきりとわかる損害です」と語った。 マフノフカはウクライナ軍が昨年8月につくり出した650平方kmほどの突出部の南東周縁の中間地帯に位置し、一帯では何日も激しい戦闘が繰り広げられている。ソーシャルメディアで共有されている動画には、ロシア側の部隊が村内に進軍し、ウクライナ軍の歩兵や戦車、ドローン(無人機)の攻撃を受ける様子が映っている。 ソーシャルメディアの画像を精査してロシア軍とウクライナ軍の損害を独自に集計しているアナリストのアンドルー・パーペチュアは、ゼレンスキーが言及した人的損害を確認したようだ。「ついさっき、あるひとつの動画で、ロシア軍の大隊全体が死ぬのを見たように思う」とパーペチュアは7日に投稿している。その後、同日にロシア軍の死者408人を視覚的に確認したことも報告している。 マフノフカから南のプリョーホボ村にかけての6.5kmほどの区域は、クルスク戦線で最も戦闘の激しい方面ではない。衝突の回数は、たとえば突出部の北西周縁のゼリョーヌイ・シュリャフ村方面に比べると少ない。 一方で、損害の規模はマフノフカやプリョーホボでの個々の戦闘のほうが大きくなっている可能性がある。先月上旬、北朝鮮軍の計500人以上とされる歩兵が3波にわたってプリョーホボ付近の野原を突撃し、最終的に同村から、100人程度とみられるウクライナ軍守備隊を排除することに成功した。 しかし、たいした支援を受けずに雪原を行進した北朝鮮兵らは、退却するウクライナ軍部隊のドローンや大砲の格好の餌食になった。ウクライナのジャーナリストであるアンドリー・ツァプリエンコは、攻撃に参加した北朝鮮兵の「最大で半数」が損耗した可能性があると伝えている。