”空手五輪代表” 植草歩が引退発表、スランプ克服し昨年は年間1位に「やりきった、もうお腹いっぱいです」
空手の世界選手権優勝者で東京五輪日本代表の植草歩(31)が1日、自身のSNSで選手としての引退を発表した。 植草は「引退発表、みなさん、ご報告があります!この度私は7月に行われる国際大会で競技生活を引退することに決めました」とし、これまでの栄光と挫折を振り返った。 【フォト】植草が残り1秒でハイキック一本!激闘の数々も 植草は「小学3年生の時に千葉県八街市の勝正館で空手を始めてから、これまでたくさんの方々に応援して頂き感謝申し上げます。地道に田舎の道場から名前の如く一歩一歩、歩んできました。決してエリート街道ではないし全日本選手権も世界選手権も優勝したのは社会人になってからでした。だからこそこれまで長く続けて来れたのだと思います」とつづった。 植草は大学時代は全日本2位が最高位。大学卒業して引退する予定だったが、2020年の東京オリンピックに空手道が正式種目になる可能性がある為、現役続行を決めた。そして社会人1年目の2015年に全日本選手権で初優勝し以降4連覇、翌16年8月に空手が東京五輪の正式種目に。その2ヶ月後の世界選手権では68kg級で初優勝を成し遂げた。 世界ランキング1位も常連、そして東京五輪の代表選手に決まった。そして目標は筑波大学でスポーツ科学を勉強し、自身が実験台になって五輪に出ることだった。しかし、師に反対されたことで周囲に相談。師の竹刀による指導で目を怪我したということもあり、パワハラ問題と周囲が騒ぎ立てた。植草自身は竹刀の怪我を重く見たのではなく、大学で勉強を認めてほしかっただけだが、周囲が竹刀というワードを使い弁護士も含め、想像以上に大ごとになった。しばらくして収束したが、以前のインタビューでは五輪まで半年という中で彼女のメンタルは崩れそうだったという。 「逆に、苦しくて苦しくて、生きている価値がないのではないのかもと思う日もあり毎日泣いた時期もありました。 多くのことを学び成長させてくれたのが『空手道』という競技でした」と今回の引退のSNSで告白している。 五輪は組手女子61kg超級で1次リーグA組で2勝2敗の4位となり準決勝に進めなかった。結果7位で終わった。 五輪後、半年ほど休養し、心身ともに回復させ、22年5月、モロッコの首都ラバトにて空手の国際大会「プレミアリーグ・ラバト」で見事優勝。 同年12月 アジア選手権で優勝。 23年には数々の国際大会で優勝と上位入賞を続け、自身4度目の年間チャンピオンに輝いた。 植草は「オリンピックの後うまくいかず何度か引退しようと考えました。だけど一度きりの人生、不完全燃焼でいいのかと自問自答しやり切った気持ちには、まだなっていないと答えをだし、この空手を出来る時間に終わりが来るなら最後は空手道競技を『心から楽しんで』終わりにしたいと思い、これまで続けてきました。そしてついにこの日が来ました。やりきりました!楽しかったです。もうお腹いっぱいです。笑 たくさんのご声援、応援本当にありがとうございました!」とファン、関係者に感謝した。 植草に話を聞くと、引退試合は7月5-7日にフィリピンで行われる国際大会。有終の美にも注目したい。