貯金30万円からブランドを年商44億円に成長させた事業戦略とは|Ameri VINTAGE 代表取締役/ディレクター 黒石奈央子さん|STORY
あとは、カジュアル系やモード系など、ファッションの系統をカテゴライズする文化がありますよね。ファッションにこだわりがある人なら、自分のファッションの軸が定まっているかもしれないけれど、「モード系も着たいし、たまにはフェミニン系も着たい」と、気分によって色々なファッションをしたいのが大半の女性。でも日本のブランドは、カテゴリーに囚われているところがあると感じていて。同じショップの中でも、モード系やカジュアル系などジャンル分けされていたりするんです。そんな時に、販売戦略の参考にしていたのがZARA。ZARAは全てのジャンルが置いてあって、リードタイムも早く、いつでも新しいトレンドが入っているんですよ。 もともと私もどんな系統でも着るタイプだったので、アメリを立ち上げる時に「ここに来れば、全てのジャンルが揃っている」というブランドにしたかった。それで、“NO RULES FOR FASHION” というブランドスローガンに決めたんです。「ファッションにルールはなく、どんなジャンルでも、好きなように楽しんでほしい」という意味が込められています。 ――起業されてから、挫折や苦労などはありましたか? 何かに投資をしてそれが吹っ飛んだとか、1億無くなったとか……そういうのはありますよ(笑)。でもそれって挫折ではないと思っているんです。もちろん失敗はあったと思いますけど、立ち上がれないくらいにショックな出来事という意味では、今考えても思い出せないですね(笑)。自分の中では大したことではなかったんだろうと思います。スタッフ間のトラブルや人間関係で悩んだこともありましたが、解決できる問題だったし、その度に見直して次に繋げるしかなかったので……そんな風に毎回乗り越えてきました。 マインドとして、仕事に対しては割とドライで。悩み事も人に相談するよりは、自分で考えてすぐ行動して解決して、あまり大ごとにはしてきませんでした。もちろん、悩むことはいっぱいあります(笑)。節目節目で考えるべきことは山ほどあるし、日々色々なことがありますけど、今のところはやってこられているので、それでいいのかなと思っています。