貯金30万円からブランドを年商44億円に成長させた事業戦略とは|Ameri VINTAGE 代表取締役/ディレクター 黒石奈央子さん|STORY
――会社が大きくなるにつれてスタッフも増えていると思いますが、社員とのコミュニケーションについて教えてください。 ショップスタッフも含めて、社員は今60人になりました。私は結構、人のマネジメントは得意だと思うんですよ(笑)。例えば、「パフォーマンスが悪いな」と思う社員がいたら、そこに留まらせるのではなく、その子の強みと弱みは何だろうと考えてすぐに部署を異動させています。以前、どの部署に行っても全然うまくいかないスタッフがいて、色々な部署で適正を見たことがあって。彼女は感性が素晴らしかったので、最終的にはセンスが活きる部署に落ち着きました。もちろん何年かかけて、頑張って成長させることも必要かもしれないけど、それよりもまずその人の適正を見極めることが一番大切。社員の働き方を見て、得意・不得意を客観的に見るようにしていますね。 あとは私、超効率重視な女で(笑)。無駄なことをしている時間が一番嫌いなんです。社員を合わない部署で何年天塩にかけて育てたとしても、成長率ってそこまで上がらないですよね。でもその子が活きる場所で働けば、成長率もモチベーションもグッと上がると思うんです。本人の成功体験をつくることで自信に繋がるし、結果的に会社のメリットにもなります。社員とは年に2回、賞与面談のタイミングで直接話をする機会を設けて、一人ひとりと向き合っています。直属の上司に言えないことや普段思っていることなどを、丁寧に吸い上げていますね。 会社は過半数以上が愚痴を言っていると、いい子が辞めてしまって、愚痴だらけの会社になってしまうんです。逆に過半数以上が素直で頑張り屋さんだと、愚痴を言う人は居心地が悪くて辞めていく。そういった人間性の高い人を増やして残ってもらうことが会社経営には不可欠ですね。AMERIは素直で誠実な社員が多いので、これからも大切に育てていきたいと思っています。 撮影/沼尾翔平 取材/渡部夕子