「日本の49歳女性」は世界一子どもを産んでいない…!国際機関が発表した「衝撃のレポート」の中身
出生数は1975年から約3分の1に
2024年に49歳になる女性は、1975年生まれだ。この年には約190万人の子どもが生まれていたので、2024年の3倍近くの出生数である。190万人も生まれたうちの約半数である女性たちの4人に1人以上が子どもを産まなかった、つまり、母になる可能性のある女性の数がそれなりに多かったのに、無子比率が高かったということは、少子化の進展を少しでもゆるめるチャンスを逃したことになる。実は1974~78年生まれの人たちが、2023年に45~49歳になった時点で、結局何人子どもを産んだのかを見るコーホート合計特殊出生率は1.46となっている。女性の無子比率が低ければ、もっと多くの子どもが生まれただろう。 日本では婚外子が少なく、出産には結婚が前提である。つまり未婚の人は出産する可能性が低いと考えられる。それではこの世代の未婚率はどうなっているだろうか。図表2には1971~75年生まれ世代の、各年代での未婚率をまとめている。30代前半では未婚率が32%、30代後半でも23.1%となっている。40代前半では19.3%の人が未婚で、その後結婚したとしても年齢的に子どもを持つことは難しく、おそらくこの人たちの多くが子どもを持つことはなかっただろう。 女性の妊娠する力(妊孕力)は40歳近くになると落ちだすので、結婚してもその時期が遅ければそれだけ子どもを持つことは難しくなる。結婚年代別の夫婦の子ども数も確認できるが、実際、結婚年齢が上がるほど、その後の子ども数も少なくなっている。 女性の無子率が高い原因には、こうした未婚者の増加がある。その背景には何があるのか。「結婚したくない人が増えている」という単純な理由では語れない残酷な現実を、後編【なぜ日本の「49歳の女性たち」は世界で一番子どもを産んでいないのか…その裏の「残酷な現実」】で解説する。
前田 正子(甲南大学マネジメント創造学部教授)