〔NY外為〕円急落、一時157円台後半(19日)
【ニューヨーク時事】19日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、日銀の植田和男総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことで日米金利差が開いた状態が続くとの見方から円売り・ドル買いが加速し、一時1ドル=157円台後半と、7月中旬以来約5カ月ぶりの安値水準に急落した。午後5時現在は157円38~48銭と、前日同時刻(154円77~87銭)比2円61銭の大幅な円安・ドル高。 日銀は19日の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。さらに、植田総裁は今後の利上げ時期をめぐり、賃上げの状況やトランプ次期米政権の政策を見極めてから決定する意向を説明。来年1月の会合でも利上げが見送られるとの観測が強まった。 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は18日に来年の利下げペースは鈍るとの見通しを打ち出し、これを受け米長期金利が上昇。邦銀筋は「日銀はハト派、FRBはタカ派で、ドルが買われやすい地合いだ」と指摘した。 19日に発表された米経済指標は景気の底堅さを示唆し、長期金利の上昇を促す内容だった。7~9月期の実質GDP(国内総生産)の確定値は改定値から上方修正された。週間の新規失業保険申請件数は前週比2万2000件減の22万件だった。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0359~0369ドル(前日午後5時は1.0346~0356ドル)、対円では同163円10~20銭(同160円27~37銭)と、2円83銭の円安・ユーロ高。