〔東京外為〕ドル、157円前後=財務相のけん制発言で伸び悩む(20日正午)
20日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需筋の買いが一巡した後は加藤財務相のけん制発言で売り戻され、1ドル=157円前後に伸び悩んでいる。一時は158円近くに接近したが、失速した。正午現在、156円96~99銭と前日(午後5時、156円48~48銭)比48銭のドル高・円安。 前日の欧州時間は、植田日銀総裁のハト派会見を受けた買いが続き、157円10銭台に浮上。米国時間の序盤はいったん伸び悩んだ。もっとも、米GDPなどの良好な経済指標の結果で米長期金利が上昇したことに支援され、中盤には157円80銭前後まで上値を伸ばした。終盤は買い一服となり、157円30銭台に水準を下げた。 東京時間の早朝は同水準で推移した後、午前9時にかけてやや買いが優勢となった。午前9時以降は実需筋の買いが加わり、仲値にかけて157円90銭台まで上値を伸ばした。もっとも、その後は加藤財務相が「為替市場で一方的で急激な動きが見られる」、「投機的な動向を憂慮している」などとけん制したことで売り戻す動きが強まった。 市場では「仲値に向けては五・十日要因の実需筋の買いが目立った」(大手邦銀)と指摘され、いったんは上値を目指す展開となった。ただ、「財務相からの円安けん制の発言が飛び出したことから、急速に売り戻された」(為替ブローカー)という。目先については「けん制発言で上値は重い一方、前日の日銀総裁のハト派的な内容の会見に支援され、上下に動きにくい」(同)ほか、「前日の急伸後の落ち着きどころを探る展開になるだろう」(先の大手邦銀)といった声が聞かれる。 ユーロも午前9時以降、対円は伸び悩み。対ドルは小動き。正午現在、1ユーロ=162円67~69銭(前日午後5時、162円63~68銭)、対ドルでは1.0362~0364ドル(同1.0394~0395ドル)。