ロッテFA移籍の福田秀平が古巣ソフトBに2つの宣戦布告「甲斐キャノンから走る」「千賀キラーとなる」
規定打席に到達するためにはレギュラーを獲得し、今シーズンは36試合にとどまった先発出場を大きく増やす必要がある。コンディションを常に整え、けがの予防につなげる意味でも、ロッテがメディカル体制の強化を目的として、来シーズンから順天堂大学医学部と提携を結んだことも大きい。 「今シーズンもけがをしてしまったこともあるので、来シーズン以降はとにかくけがのないように取り組んでいきたい。その意味では僕自身もケアの方法であるとか、そういう部分を順天堂大学医学部から学ばせていただきたいと考えています」 出場機会が増えれば、走攻守のなかで特に高い評価を受けてきた「走」も存分に生かせる。これまでの最高盗塁数は2011シーズンの「22」だが、レギュラーとなる以上は最低でも「30」を、と密かに数字を思い描く。ロッテのチャンスを数多く作り出すためには初めて敵に回す、球界ナンバーワンの強肩を誇るソフトバンクの正捕手、甲斐拓也の「キャノン」をかいくぐらなければいけない。 キャンプの紅白戦などで敵味方として対峙したときは、盗塁の成功、失敗が一度ずつだった。来シーズン以降は公式戦で、お互いにしのぎを削る場面が何度も繰り広げられていく。 「甲斐からは『次に会うときは敵ですね』と言われました。すでにいろいろな駆け引きは始まっているし、とにかく甲斐キャノンを突破して盗塁を決められるように頑張りたいですね」 北海道日本ハムファイターズ時代の大谷翔平から2016、2017シーズンと連続して本塁打を放った、速いストレートに力負けしないスイングも福田の魅力だ。大谷の被本塁打は2016シーズンが4、2017シーズンが2本と少なかったことから、勝負強さも手伝っていつしか「エースキラー」と呼ばれた。 その意味では次なる標的は、昨日の友は今日の敵――とばかりに、これまでは外野手として威風堂々のピッチングを見守っていたソフトバンクのエース、千賀滉大となる。 常時150kmを超える剛速球とお化けフォークを操る右腕が育成出身で初めて、そして令和でも初めてノーヒットノーランを達成した9月6日の対戦相手はくしくもロッテ。福田は柳田悠岐の代走からそのまま就いたセンターの位置から、プロ野球史上80人目の快挙の瞬間を見届けている。 「自分としてはそれほど意識したことはないですけど、またエースキラーと言っていただけるように、そうなるためには千賀を打てるように頑張っていかないと。いつも外野から彼のピッチングを見ていたのである程度のイメージはもっていますけど、打席に入るとそこはまた違ってくると思うので。古巣との勝負も楽しみにしながら、プレーしていきたいと思っています」