じつはバカにできない「エアハラ」。エアコンのON・OFFに引き裂かれた夫婦の悲惨な実態を専門家が解説
エアコン利用を理由に家事を拒否!?
一方でカナさん(仮名29歳)の場合は、「エアコン嫌い夫」のパターン。 「うちの夫はもともと喘息もちで、アレルギー体質。エアコンをつけると部屋が乾燥しすぎるとか、エアコンからカビを含む汚い空気が出ると、喘息が悪化すると言って、エアコンをつけたがりません。 エアコンの空気が汚いという点に関しては、年1回は業者にクリーニングを頼んでいるので、ふつうの家より汚いということはないと思っています。乾燥するのが嫌なら、湿度を高めに設定したり、それでも足りないなら加湿器を併用したりすればいい、と提案しても『湿度が高いとエアコン内のカビが増えるから余計に空気が汚れる』とか、“ああ言えばこう言う”状態で、まったく譲歩しようとしません。 熱中症も心配ですし、仕方がないので気温が30℃になるまでは扇風機で我慢しますが、それ以上になると『悪いけどエアコンつけるね』と断って、エアコンをつけます。そうすると「寒い寒い」と皮肉っぽく、背中を丸めます。家事を頼んでも『寒いから、体調悪くて無理』と言い放つ始末。アンタ、いったい何様!? と怒り心頭です」
たかがエアコン、されどエアコン…
ご紹介したどちらのパターンも、もはや単なる「快適な温度の違い」を超え、相手へのハラスメントに発展している事例といえます。 このような「エアハラ」問題の解決はどのようにすればいいのか? もしこれが寝室だけの問題であれば「夫と妻の寝室を分ける」という解決法で何とか乗り切れるでしょう。しかし、ふだんの生活エリアであるリビングやダイニングだと、そう簡単に分けるというわけにはいきません。 まずはお互いに自分の主張に固執せず、双方に快適な環境をどのようにつくり出すか、具体的に意見を出し合うことです。 暑がりなかたは、エアコンに加えて扇風機などで風を送り、体感温度を下げることが可能です。さらにネッククーラーなどで体温を下げることも有効です。また、最近はふれるとヒヤッとする冷感タッチの製品も多いので、シーツ、クッション、部屋着などを、さらさらした冷たい触感のものに変えるのも効果的です。 寒がりなかたは1枚プラスして羽織ったり、冷えやすい足元を靴下やレッグウォーマーなどで対策することも効果的です。また、温かい飲み物をとったり、湯船にお湯を張ってゆっくりお風呂に入ることも大事。 さらに、エアコンの乾燥や空気の汚れが気になるかたには、エアコンを使いつつ、定期的に窓をあけて換気をする、空気清浄機などを併用するなどの対策を。 あるいは寒さ対策・暑さ対策についての情報をお互いに出し合うバトルをすることで、相手の体感温度を想像できるようになるかもしれません。そして週末、いっしょに対策グッズを買いに行くのも円満の秘訣。 たかがエアコン、されどエアコン…お互いの違いや個性を受け入れて心地よい家庭をつくるための、試金石かもしれません。 ◆監修・執筆/三松 真由美 会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。 ※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。 構成/サンキュ!編集部
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