「人材やシステムへの投資は当たり前」...大企業と中小企業の営業力に圧倒的差が生まれる「納得の理由」
老後2000万円問題が叫ばれて久しい。しかし、生活水準を落としたくないのであれば「2000万円でも足りない」。政府の経済的支援を当てにすることもできない。現代日本ではサラリーマンであっても資産を形成することが求められている。そんな人は会社を買おう。もしあなたが一般的なサラリーマンならば、既に会社を経営するノウハウを自然と身に着けているのだ。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、平凡なサラリーマンが会社を購入し成功した例を紹介しながら、具体的に「どうやって資本家として成功するのか」を『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和著)から一部抜粋して紹介する。 『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』連載第14回 『日本のサラリーマンの最大の武器は「会社での教育」…? あなたも無意識のうちに身につけている社長に必要な「チカラ」の正体』より続く
マネジメントの重要性
賢明な読者の皆さんはおわかりだと思いますが、業務管理システムというのは業務の無駄を省き、労働時間を短縮し、生産性を高めることで、企業の利益率を高めるために導入するものです。 たとえば、マネジメントがずさんな営業の現場では、 ・得意顧客ばかり頻繁に訪問し、苦手な顧客にはアプローチしない ・ダンピング競争が進んでいる利益率の低い商品を一生懸命営業している。結果、売れば売るほど赤字が膨らむ ・別の営業マンがそれぞれ別のルートから同じ企業にアプローチしている。顧客情報が共有されていない ・営業マンによってやり方がみんな違う ・自らの産業の動向には詳しいが、他の産業の動向には疎い ・客先で受注しても、一度会社に戻ってからでないと受注手配ができない ・部下に仕事を教えない。教えられない。見て覚えろというスタイル といった非効率が存在します。
システムを導入しなければ「勝てない」
業務管理システムは、顧客情報を管理・共有したり、業務フローを普遍化したり、業務を通じて早く効率的に成長できるOJTを導入したり、クラウドによってどこからでもリモートでシステムにアクセスできるようにしたりすることで、営業の機会損失や無駄を減らすものです。 また、業務管理システムだけでなく、組織力を高めるチームビルディングや、部下に対して自らの気づきによって自己成長を促すコーチング、会議の参加者全員の意見・アイデアを引き出すファシリテーション、社員のモチベーションを高める仕組み、よいところを伸ばすための評価システム、人と人とのコミュニケーションのツールも、次々に開発され、先進的な企業から導入されていきます。 業務管理システムやコミュニケーションツールの導入には、初期投資が必要になります。お金もかかり、人の手も取られます。また、メンバーの反発もあります。新しいことを覚えるのは誰でも面倒臭いのです。さらに、導入期には一時的に生産効率が落ちる可能性もあります。 それでも大企業が仕組みを導入するのは、投資対効果がプラスになるからです。 営業活動の効率が数値化され、利益率の高い商品を継続的に買ってくれそうな顧客に優先的にアプローチし、残業が減り、モチベーションが上がり、若手社員が早く成長し、会議が活発化して全員がアイデアを出すようになってくれれば、業務システムの導入費用や、コミュニケーションツール費用など、微々たるものです。 逆に言えば、そうした改善を繰り返さなければ、大企業は競争に勝てないし、存続することもできなくなってしまいます。ですから、ビジョンのある企業ほど、社員の人材育成に投資をしているのです。