「出店→1週間で閉店→また出店」…。“日本一アンチの多いラーメン屋”として知られるりゅう社長、界隈を騒然とさせた“撤退劇”の裏側を激白
新店舗の物件を探していく中で、いい立地だと当然賃料が高くなかなか条件に合ってこない。さらには、探していた20坪レベルの物件がなかなか出てこない中で、5坪レベルの小さな物件はたくさん出てきていた。ここで思い出したのが去年初めて出場したラーメンイベント「大つけ麺博」での経験だった。 ブースでラーメンを作って渡し、お客さんが好きな席で食べるというスタイルを「大つけ麺博」ではじめて体験し、この“半テイクアウト”的なスタイルが面白いと考え、いつかのビジネスのヒントにしたいと考えていた。
「小さな物件でもお店ができるようにしておけば、今後の出店スピードが速められるだろうと考えました。5坪でもスタンディングやテイクアウトのお店であれば出店は可能です。ここで、『大つけ麺博』を街ナカでやってしまおうというアイディアが思い浮かびました」(りゅう社長) りゅう社長は「大つけ麺博」級の集客力のある街はどこか考えた。こうして辿り着いたのが“観光地”だった。ここから観光地に絞って物件を探すことを決意する。
観光地でテイクアウトしてもらうということは、ラーメンを店頭で渡して、お客さんに食べ歩きをしてもらえればベストである。しかし、このスタイルを「鈴の木」で出している油そばでやろうとすると難しさがあった。提供までの時間がかかりすぎるのである。提供スピードを上げるためには茹で時間の短い細麺で作り上げる必要があった。 そのために開発されたのが、麺の上にとびっこをのせた「とびっこ東京」だった。 茹でた細麺の上にタレと油をかけ、上にとびっこをのせたシンプルなまぜそばである。これを4月の栃木県小山市のラーメンイベントで提供してみることにした。
メニューの発想のきっかけは、高田馬場にある「博多ラーメン でぶちゃん」で提供されていた「とびっこチャーハン」。見た目にも絵力があり、美味しくて人気のあるこのメニューに注目した。 「とても魅力的な商品で、これをラーメンとして作れないかなと思ったのがきっかけです」(りゅう社長) 茹でた麺をお碗に移し、それを皿の上にパカっと移すことでチャーハン状の丸いフォルムができあがる。ここにホタテや鯛のベース、油をかけ、上にとびっこをのせて完成だ。