元宝塚花組トップ娘役・星風まどか「品は忘れず生きていきたい」 目指すは“枠にとらわれず挑戦できる俳優”
◆枠にとらわれず、いろんなことに挑戦できる俳優に
――宝塚退団後の生活はいかがですか? 星風:ずっと公演中心の生活をしていたので、感覚が違いますね。目の前のことをいろいろやっていたらあっという間で。もう1ヵ月経ったの? もう1ヵ月半経ったの?と、時間の流れの早さに追いつけていない部分もあります。 ――イタリア旅行にも行かれたとか。 星風:はい! 水の都・ベネチアを生で見てみたい!ゴンドラにも乗ってみたい!とずっと思っていまして。でもヨーロッパはなかなか簡単には行けないですし、この機会に行ってみようと出かけました。 もう最高でした! 街自体が美しくて芸術にあふれているんです。芸術も音楽も歴史も感じて、イタリアを思う存分堪能してきました。あ、美味しいものもいただきましたしお買い物も楽しみました(笑)。 ――(笑)。インスタにアップされていたお写真からも満喫されている様子が伝わってきました。 星風:インスタは、いまだにボタンを押すときに大丈夫かな?と指が震えます(笑)。SNSなどでファンの皆さんと繋がれるというのはすごくうれしいですし、今までにはない感覚なので楽しみながら続けていきたいと思っています。 ――ほかに、退団後始められたことなどはありますか? 星風:在団中、コロナ禍のお家時間のときに韓国語を勉強して、資格の試験を受けたりしていたんです。今回、イタリアに行った時に、何か言おうとしても“出川イングリッシュ”のような感じになってしまって(笑)。ボディランゲージとニコニコ笑顔で、親切な皆さんに助けられてなんとか旅行できたのですが、英語が話せたらいろんな幅が広がるんだろうなと感じました。なので、韓国語を勉強したアプリに英語も入れて、空いた時間に初歩的なところから始めています。長い目でがんばろうと。 ――先日SNSでは、月組さんや新生花組さんの公演を観劇されている目撃情報があふれました。ご卒業されてご覧になる宝塚はどんな世界でしたか? 星風:在団中は少しでもたくさん勉強したいという視点でいましたが、やはり見方が変わりました。月組さんの公演は同期の退団公演ということもありましたし、月城(かなと)さんはじめ退団者の皆様がとても幸せそうに見受けられて、その幸せそうなお顔に涙が止まらないという感覚になりました。それも自分自身がすごく幸せに卒業させていただいたからこそ感じる感覚なのかなと、改めて感謝の気持ちもあふれました。 ――東宝芸能に所属されて、これからさまざまな作品にご出演されると思います。星風さんであの役やこの役を観てみたいという声が上がっています。 星風:所属が発表になった時にもたくさんの方からおめでとうとご連絡をいただいて、本当にありがたかったです。そういうお声をいただくからには、期待にこたえるじゃないですけど、自分自身恥ずかしくないように、精一杯しっかり生きていきたいなという決意も改めて感じました。 舞台や映像とジャンルを決めることなく、いろんなことに挑戦できるような俳優でありたいと思いますし、「星風はこうだよね」という枠にとらわれることなく、こんな星風も観てみたいと思ってもらえる人になりたいなって思います。 ――舞台人・星風まどかとして、ブラさずに大切にしたいことは何ですか? 星風:舞台人としてだけじゃないかもしれませんが、人として品は忘れず生きていきたいなと思っています。 (取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美) ディズニーミュージカル『ニュージーズ』は東京・日生劇場にて10月9日~29日、兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールにて11月3・4日、福岡サンパレス ホテル&ホールにて11月9~11日上演。