【2カ月連続での前年実績割れ】2024年12月期の新車販売台数 2024年通期のデータも出揃う
2024年12月期のブランド別新車販売台数、軽自動車
軽自動車の2024年12月期のブランド別新車販売台数は、前年同月比で13.1%増の4万3167台を成し遂げたスズキが12カ月連続でのシェアトップに就く。 最大のライバルのダイハツは、全車種の生産・出荷を再開したものの同23.1%減の3万1575台と停滞した。また、新車効果に一服感が出たホンダは同20.6%減の2万791台、日産自動車は同11.4%減の1万2541台、三菱自動車は同0.9%減の5610台と低迷する。 一方、OEM供給を受けるブランドではマツダが同62.2%増の3037台、スバルが同1.8%増の1156台と前年実績超えを果たしたものの、トヨタ自動車は同48.2%減の1152台と苦戦した。 そして、2024年度の成績ではスズキが前年比10.9%増の58万9924台を記録して10年ぶりの首位に立ち、前年トップのダイハツは同38.1%減の35万186台にとどまる。また、デリカミニの販売が好調だった三菱自動車は同27.9%増の7万3961台とプラスを達成。対して、ホンダと日産自動車は前年のプラスからマイナスに転じた。
12月度と通期の数字をどうみるか
2024年12月期の新車販売について業界団体の関係者は、「トヨタやダイハツが認証試験不正で一時生産を停止していた車種の生産を再開するとともに人気車の受注残の改善を図り、また最新法規に合わせて安全性を強化したの改良モデルの発売が進んでいることから、12月期の新車販売はプラスを回復すると思われたが、実際は登録車と軽自動車ともに前年実績を下回ってしまった。リバウンド消費が完全に一巡したこと、そして物価高が賃金上昇を上回って消費者の節約志向が高まっていることなどが、新車販売に波及した模様」と示唆。 また2024年度に関しては、「半導体など部品の供給不足の解消による新車供給の回復はあったものの、認証試験不正の相次ぐ発覚とそれに伴う生産・出荷停止もあり、2024年度は2年ぶりに前年実績割れ、しかも大台の500万台を50万台以上も下回る結果となった」と解説する。 今後については、「新車の需要は新型車を中心に底堅く、また政府は個人消費が回復基調にあると公表していることから、2025年度の新車販売は改善する可能性もある。 ただし、物価高が賃金上昇を上回る状態は継続しており、またEVシフトの鈍化も顕著になっていることから、新車販売市場は楽観できない状況が続く。ホンダ・日産自動車・三菱自動車の提携に伴う新車供給の行方も、新車販売の成績に影響してくるだろう」と予測した。
大貫直次郎(執筆) AUTOCAR JAPAN(編集)