「アヒージョ風にゅうめん」はニンニクの香り&カラフル食材で食欲を刺激!【松田美智子の体よろこぶ夏の麺#3】
(1)そうめんをかためにゆでる 大きめの鍋に水適量を入れて火にかけ、沸騰したらそうめんを入れて泳がせるようにまずは1分。 火を切って蓋をし、約1分蒸す。ざるに上げ、流水の下でぬめりがなくなるまでしっかりもみ洗いして水を切り、ざるに上げておく。 ⚫︎ここで一手! 「そうめんは熱湯でゆで続けるよりも、火を止めて蓋をし、蒸したほうがぬめりが少なくつるんとおいしく仕上がります。そうめんは案外と丈夫なので、流水の下でもみ洗いをしても崩れませんから、ジャブジャブしっかり洗ってください。口当たり、喉ごしが格段によくなります」 *蒸し時間は、麺の太さに応じて調整してください。細めならば約1分が目安です。 (2)にんにく・ブロッコリー・トマトを下ごしらえする にんにくは半分に切って芽を除き、包丁の腹で叩いて潰す。ブロッコリーはひと口大に切り分ける。 トマトはヘタを取らず、皮を包丁の刃先で突いておく。 ⚫︎ここで一手! 「トマトの栄養素のなんと80%は皮にあるのだとか。ぜひ、皮がついたままいただきましょう。ヘタを残し、皮に切れ目を入れておくと型崩れしにくくなります」 (3)やりいかと海老を下ごしらえする やりいかは内臓と軟骨を抜いて2cm幅に切る。げそはくちばしを除いて切り分ける。 白ワインを入れたボウルに浸して塩をふり、5分ほどマリネする。 海老は背開きにしてわたを取る。 ⚫︎ここで一手! 背開きにしてわたを取った海老は、塩少量と片栗粉をもみ込んでからさっと洗ってキッチンペーパーで水気をぬぐっておく。 「こうしておくと、火にかけても海老がかたくなりにくく、プリッとした食感が楽しめます」 (4)鍋にオリーブオイル +みそを入れて火にかける ボウルにオリーブオイルとみそを合わせて軽く混ぜ、鍋に入れて中火にかける。 「おみそは、具材のうまみを引き出してまろやかにまとめてくれて、鉄分やカルシウムが豊富な麹みそをおすすめします。あるいは、市販の生麹を合わせみそと混ぜても。ほんのちょっとで、おみその風味がぐんと上がりますから、ぜひ試してみてください」 (5)具材を炒め煮にする にんにくと鷹の爪を入れ、じんわりとにんにくの香りをオリーブオイルに移す。 にんにくの香りが立ち、オリーブオイルがフツフツとしてきたら、やりいか、海老、ブロッコリー、トマトの順に加える。 (6)チキンスープを加えて煮る チキンスープを加えたら蓋をし、5分ほど煮る。「蓋をして煮込むことで、味が凝縮されてまとまり、ちょっととろみも出ます。煮すぎないようにくれぐれもご注意」 (7)そうめんを入れ、ひと煮立ちしたら完成! 水気をよく切ったそうめんを鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。好みで白こしょうを振って完成。 「今回は材料に魚介類を使用しました。 “魚貝類の下処理は面倒”と思われるかもしれません。たしかに、手数はかかります。でも、お料理は結局のところ、火にかける前にどこまで手をかけておけるか……だと思うんです。だって”いまが旬”の食材は、やっぱりいちばんおいしい形でいただきたいでしょう? 私は、いかのわたを丁寧に処理することで幸せになれるなら、そして“おいしい!”と喜ぶ家族やお客さまの笑顔が見られるなら、よぅし!と気合いを入れておいしいのを作っちゃう。ほんのちょっと心と手をかけること、ぜひやってみてくださいね」 撮影/鍋島徳恭 取材・文/神史子
松田美智子
1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。愛犬はタスマニアンラブラドゥードゥルのguguちゃん(3歳) http://www.m-cooking.com/
松田美智子