熱くない? 温泉街で秋の伝統行事「たいまつ祭り」 真っ黒い顔で威勢良く
長野県松本市、秋の伝統行事
長野県の松本市浅間温泉で12日夜、御射(みさ)神社春宮例大祭の宵祭り「たいまつ祭り」があった。秋の収穫を見届けた神を煙に乗せて山に送る―という言い伝えの伝統行事。浴衣姿の宿泊客や親子連れが沿道から見守る中、白い煙をもくもくと上げながら住民らが大きなたいまつを引いて温泉街を練り歩いた。 【写真】真っ黒い顔に白い歯をのぞかせたいまつを引く参加者
黒い顔に白い歯のぞかせ
地元の町会や企業、小学校など23団体が、それぞれ麦わらを使って高さ2メートルほどに仕立てたたいまつに火を付け、担いで運んだり綱で引っ張ったりした。参加者が互いの顔にすすを塗り合い、威勢良く「わっしょい」とかけ声を繰り返すと、真っ黒な顔に白い歯がのぞいた。 信州大サイクリング部が応援に駆けつけた浅間温泉第一町会は、計40人ほどが一丸となってひときわ大きなかけ声を響かせた。部長の信大理学部3年石坂志織さん(21)は「祭りを楽しみながら、みんなの顔を真っ黒にしてやろうと思ってます」といたずらっぽく笑った。 見学に訪れた松本市原の会社員佐藤修さん(36)はたいまつを引く人に塗ってもらったすすで頬を黒くし、「塗ってもらうと祭りに参加した感じがします」。一緒に訪れた長男で同市本郷小2年の涼さん(7)も「煙がいっぱいですごい」と驚いていた。