能登半島地震から1年――金沢学院大附DF油野瑛斗が示した“石川代表”としての覚悟。かほく市長の祖父には「『楽しかったよ、ありがとう』って」【選手権】
「能登の方々に勇気を与えられるように」
[高校選手権・2回戦]帝京(東京B)5-0 金沢学院大附(石川)/12月31日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 【動画】選手権2回戦 帝京vs金沢学院大附ハイライト! 金沢学院大附のDF油野瑛斗は並々ならぬ思いで走り抜いた。 初出場で初戦突破を果たした金沢学院大附は、12月31日に選手権2回戦で東京の名門・帝京と対戦。最後まで1点が遠く0-5で敗れ、ここで敗退となった。 最大震度7の『令和6年能登半島地震』から2025年1月1日でちょうど1年。その前日に行なわれた2回戦の会場、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuのスタンドには「がんばろう能登」「頑張ろう石川」の横断幕が掲げられていた。 石川県を代表して出場する選手権。全国から注目を集めるこの大舞台で、能登半島のかほく市出身の油野は、県民の思いを背負って戦った。 「能登の方々に勇気を与えられるように頑張って戦ったんですけど、すごい大敗をして申し訳ない気持ちもある。でも僕も選手たちも、しっかり県外とか県内とか関係なく、石川県のためにみんなが最後まで走って戦ったと思う。そこは胸張って帰りたいです」 かほく市長である油野の祖父も会場に駆け付け、自身のプレーを見守ってくれていたと明かす。 「1回戦を見に来てくれて、その時はLINEで『楽しかったよ、ありがとう』って言ってくれた。今回も始まる前に『見てるよ、頑張ってね』と言ってくれてたので、やっぱり勝ちたかったですけど、こういう結果になってしまった。 できれば結果で見せたかったですけど、あまりおじいちゃんが見に来るって、これまでサッカーをしてきてあまりなかったので、実際に生でサッカーを見に来てくれたことに感謝しているし、嬉しかったです」 最終的には2回戦で大会を終えたが、初出場での1回戦突破は歴史を作ったと言えるし、能登の方々にも勇気を与えたはずだ。 油野は「(選手権は)高校入ってから夢見てきた舞台なので、すごく楽しかったし、この舞台に立てたことに感謝しています。後輩たちも頼もしかったので、来年は僕たちよりもっと上を目ざして、この舞台に出れるように頑張って欲しい」とどこか吹っ切れた表情で会場を後にした。 取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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