「しらせ」定着氷に突入 本紙記者南極へ、第66次観測隊・流氷域抜け、昭和基地まで70キロ
【南大洋=鶴岡支社・近岡国史】第66次南極地域観測隊(原田尚美隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」は26日、南極大陸周辺に形成される海氷「定着氷」に突入した。約200キロにわたる流氷域を抜け、昭和基地まで約70キロに迫った。 現地時間の午前7時17分に南緯68度、東経38度から定着氷縁に入った。21日に流氷域に進入した後、予想以上に積雪量が多く、厚い氷のエリアが続いた。乗り上げた船の重さで氷を割る「ラミング」を繰り返し、1日に1.6キロほどしか進まない日もあった。 定着氷突入後は、強力な推進力で連続的に氷を割る連続砕氷で順調に進んでいる。甲板には大勢の隊員が集まり、遠くに見える南極大陸に「ついにここまで来た」と感慨深げだった。夏隊同行者の岡元大樹さん(23)=東京大大学院1年、熊本市出身=は「定着氷の氷の厚さが研究対象。いよいよ観測が本格化するうれしさと緊張感が入り交じっている」と話した。
しらせは9日にオーストラリア・フリマントルを出航した。定着氷突入は想定より1日遅れたが、観測隊の第1便は予定通り28日にヘリコプターで昭和基地に入る見通し。