長崎県内の交通事故死者26人 2024年、前年比10人減 統計以降で過去最少
2024年に長崎県内で発生した交通事故による死者数は前年より10人少ない26人と、交通統計が始まった1948年以降で最も少なかったことが2日、分かった。このうち65歳以上の高齢者が7割超の19人を占めた。事故件数は2416件(前年比223件減)、負傷者数は2983人(同334人減)と、いずれも前年を下回った。 県警交通企画課によると、時間帯別では夜間の交通事故(死者13人)、場所別では国道での事故(同10人)が、それぞれ前年より9人少なく大幅に減った。類型別では、近年減少に力を入れている歩行者と車両の衝突事故(同11人)が前年より3人減った。 死亡事故の原因別では「わき見・ぼんやり運転」など、運転手の不注意による安全運転義務違反が10人(前年比4人減)で最多。横断歩道などで歩行者の通行を妨げる歩行者保護義務違反4人(前年と同数)、速度超過1人(同)などが続き、飲酒運転は1人(前年比3人減)だった。 昨年11月施行の道交法改正で罰則が強化された自転車関連の死亡事故はなかった。 同課の担当者は「歩行者と車両の事故は依然として多い。引き続き交通死亡事故の減少に向け、啓発に力を入れる」と話す。年末年始は「交通情報板」で「歩行者いるよ止まらんば」などと表示し、注意喚起を図っている。 交通統計上の死者数には含まれないが、長崎市では同10月、電動キックボードを運転中に男性=当時(75)=が転倒する事故が発生し、男性は11月に死亡した。電動キックボードなど特定小型原動機付き自転車は、坂が多い長崎でも無理なく乗れるため今後、さらに普及するとみられる。 同課は「段差などの道路状況や、自分の運動能力、判断力と相談しながら乗ることが必要。危機感を持って安全に気を付けながら利用してほしい」と呼びかけている。 同課によると、交通事故死者数は発生から24時間以内に亡くなった人を計上しており、それ以上たっている場合は負傷者となる。県内で死者数が最も多かったのは1970年の160人。