未利用の小アジ生かす 相可高校調理クラブ 「鯵わいドレッシング」を商品化
三重出身の料理人・田中さんと共同開発
三重県多気郡多気町相可の県立相可高校調理クラブ(西岡宏起顧問)と、三重県出身の料理人・田中佑樹さん(36)=割烹(かっぽう)伊勢すえよし(東京都)オーナーシェフ=がこのほど、未利用魚や低利用魚を活用した「鯵(あじ)わいドレッシング」を開発した。16日午前11時半から、生徒たち関係者らが県庁を訪れ、商品説明や報告を行った。
「アジの風味、ガツンと感じる」
「漁獲量は減少しているのに、市場に出回らず廃棄される魚が多い」という漁師の声をきっかけに、同クラブと田中さんが、地域食材の課題解決を目指す「サステナブルキッチンまごの店」プロジェクトを立ち上げた。 これまでに、アヒージョやパスタソースなどの試作を行ってきたが、未利用魚の活用量は限られており、地元の老舗かつお節店に協力を依頼。「小アジをいぶして魚粉にする」というアイデアから、あじ節魚粉が誕生。さらに、辻製油㈱(辻威彦代表取締役社長、松阪市新屋庄町)に相談したところ「黒にんにくドレッシング」の技術を応用すれば商品化が可能かもしれないとの提案があり、本格始動した。約2年をかけて「黒にんにくレストラン 鰺(あじ)わいドレッシング」を共同開発した。 この日、県庁を訪れた山口颯太君(3年)、村田純麗さん(同)、宇井真優君(2年)、西岡顧問と、辻社長、田中さんたちは、同校出身の野呂幸利副知事たちを訪問。宇井君が「活用が難しいサイズのアジを、風味を感じることができるあじ節にしました。どのようにしたら骨の食感などが口に残らないか工夫しました。アジの風味をガツンと感じられると思います」などと紹介。 実際にサラダに掛けてドレッシングを味わった野呂副知事は「トマトとすごく合う」と話し、「母校の生徒が来てくれてうれしい。地域のために学校を挙げてたくさん活動をしてくれている。これからもいろんなアイデアを出してもらえたら」と話した。 村田さんは「おいしいのに使われてない食材を活用できる料理人になっていきたい。今回は実際に漁港に行って、トン単位で使われない魚があると知った。未利用魚のおいしさを伝えたいです」と話した。 山口君は「学校では技術を学びますが、その中で、使われない魚の問題などをどうやって解決するか。勉強になりました」と活動を通しての感想を述べた。 「鯵わいドレッシング」は190ミリリットル入りで500円程度で、来年1月に発売予定。