今季は残り3ラウンド!新人ブレガにとって重要な1戦が始まる | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第10戦 アラゴン プレビュー
一方チームメイトのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は母国レースでもありますし、ドゥカティ在籍の3年間で昨年の2勝を含む7勝をマーク。ホンダ時代にも表彰台に登っています。MotoGP時代にも最高位4位を筆頭に多くのレースでシングルフィニッシュをしているサーキットです。ブレガにとって最大のライバルはチームメイトのバウティスタになるでしょう。
仮にトプラク・ラズガットリオグル(BMW)がアラゴンを欠場すれば、ほぼ確実にブレガはランキング首位に躍り出ることになるでしょう。ただ、アラゴンが終わると残り2ラウンド6レースになりますから、ラズガットリオグルが戻ってくる前にそのポイントマージンを50点近くは持っておきたいでしょう。現状13点差がついていますから、アラゴンでブレガが3連勝して62点を取れば、ラズガットリオグルに対して49点のリードを作ることができます。自分自身にも怪我やリタイアのリスクがあるわけですから、ブレガは3連勝がやはり理想です。
そんな彼のもう一人のビッグライバルになりそうなのはやはり3連勝したベテラン、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、そして今季同じルーキーでありながら元MotoGPライダーのアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)も意気揚々とチャンスを伺うはずです。WSBK上位グリッドのメンツの中で最もトップカテゴリーでの経験が少ないニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)にかかるプレッシャーは想像するだけで恐ろしい。むしろ、トプラク・ラズガットリオグル(BMW)にアラゴンから復帰してもらった方がブレガは気持ちを楽に自分のレースができるのではないでしょうか。
24歳のイタリアンライダーが大きく成長を見せるのか、それともベテランに翻弄されるのか。今回に関しては誰が勝つか以上に、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)というライダーを注目すべきレースになるでしょうね。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ