今季は残り3ラウンド!新人ブレガにとって重要な1戦が始まる | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第10戦 アラゴン プレビュー
若干24歳のライダーに急に転がり込んできたワールドチャンピオン獲得のビッグチャンス。そのプレッシャーは凄まじいものでしょう。昨年スーパースポーツ世界選手権をドゥカティ・パニガーレV2で制し、他の候補生たちを押し除けてドゥカティワークスから最高峰WSBKへの出場を勝ち取ったブレガ。本来ならば最強のチームメイトで王者のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)から多くを学ぶ1年だったはずでした。
しかし、バウティスタは昨年までの本調子ではなく、優勝は僅か2回。さらに第8戦で負傷し、2レースを欠場。ポイント差は大きく広がった状態の3位につけているため、ブレガはバウティスタを気にする状態ではないはずなのですが、こういう時こそ王者バウティスタに勝つことが重要になります。
そうそう、忘れてはいけません。彼はWSBKのルーキーライダーなのです。MotoGPから転向してきた経験豊富なルーキーとは訳が違うのです。ルーキーながらランキング2位につけ、後半戦はラズガットリオグルとの差を少しでも詰めていくことをテーマに邁進していたはずですし、グリッドの中では最も良い状態にあるライダーの一人だったはずです。しかし、初開催のクレモナ(イタリア)ではまさかの敗北でした。
数年前までブレガ同様にライジングスターと見られていたトプラク・ラズガットリオグル(BMW)は初開催のコースなど多くのライダーが未経験のコースで好結果を残してきましたが、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)のクレモナはそう上手くは行かなかったのです。ルーキーとして評価される1年から、チャンピオン争いのプレッシャーに勝てるかどうかを評価される状況に押し上げられた24歳。今回の第10戦アラゴンは彼の大きなターニングポイントになるレースと言えるでしょう。
アラゴンはグランプリ出身のライダーが多いWSBKではほとんどのライダーが経験を積んでいるコースです。そんな中、ここで勝てるかどうかは彼の評価を大きく左右することになるはずです。昨年のスーパースポーツ世界選手権ではパーフェクトな2連勝を達成していますが、過去のグランプリ時代の結果を見ると表彰台はおろかトップ5でのフィニッシュは一度もありません。得意なサーキットではないのかもしれません。