ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
RS3がマイチェン 見た目はしっかり差別化
2020年に発表された、8Y系のアウディRS3がマイナーチェンジを受けた。ただし、スペックシートを見る限り、ハード的な改良は施されなかったように見えるかもしれない。 【写真】ニュルブルクリンクを7秒超短縮! アウディRS3 四駆ホットハッチたち ベースのA3も (123枚) 2.5L直列5気筒エンジンの最高出力は399psで、印象的な数字ながら、従来と変わりはない。50.9kg-mの最大トルクも同様だ。280km/hの最高速度や、0-100km/h加速の3.8秒にも変更はない。 スタイリング的には、しっかり変化が付けられている。フロントバンパーのエアインテークは大きくなり、リアバンパー下部のディフューザーも面積が増えた。アルミホイールのデザインにも、新しい選択肢が用意された。 フロントグリルの格子も、ハニカム状からダイアモンド状へ変わった。アウディとしては斬新といえる、鮮やかなグリーンの塗装色も選べる。 インテリアを観察すると、ステアリングホイールが新しい。リムは上下がフラットな形状で、パフォーマンスモード・ボタンのレッドが目立つ。メーター用モニターに描かれる、タコメーターのグラフィックも更新された。 試乗車のスポーツバックには、レーシーなバケットシートが組まれていた。これはオプションとのこと。
ニュルブルクリンクを7秒以上短縮
それでも、今回のマイナーチェンジは表面的な部分だけではない。実際、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのラップタイムを7秒以上も縮めている。 最新のRS3は、7分33秒123で周回できるという。テストドライバーを努めた、フランク・スティップラー氏の運転技術が秀抜なことは間違いない。だが、アウディはアップデートの成果だと強調する。 果たしてRS3は、タイヤとアダプティブタンパー、トルクスプリッター・デフ、制御ソフトウエアに大幅な変更を受けた。担当技術者が設定した目標は、新しいドライブモード、RSパフォーマンス・モードで、一層の敏捷性を与えることだった。 このモードを選択すると、コーナリング中に内側のブレーキを効かせ、トルクベクタリングが積極的に機能。アンダーステアを抑え、ラインを引き締め、一層鋭いパワー展開を可能としている。 今回試乗したのは、ニュルブルクリンクではなく、スペイン北東部のパルクモートル・カステリョリ・サーキット。筆者の技術はスティップラーの足元にも及ばないが、コーナリングの安定性は印象的なものだった。 侵入時にやや不安定な状態だったとしても、エイペックス目がけて鋭く回頭。コーナーの半分を過ぎた辺りで、パワーを臆せず放出していける。周回を重ねるほど、そのポイントを詰めていける。