ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
5気筒の素晴らしいサウンド 低速マナーも強み
RS3は公道前提のホットハッチだから、ラップタイムの短縮だけへ注力されたわけではない。ワインディングでも相応に安定性は増しており、2.5L 5気筒のEA855ユニットは、素晴らしいサウンドを放ちつつ、圧巻のレスポンスで399psを発揮する。 アイドリング時から、1-2-4-5-3の点火タイミングによって、ビートの効いた排気音を楽しめる。もちろん、ご近所付き合いを考え、静かにも切り替えられる。 マイナーチェンジ前から、明確に運転体験が変わったわけではない。しかし新旧を乗り比べる機会があれば、進化ぶりを感じ取れるはず。今回のサーキットでラップタイムをどの程度削れるのかは、測ってみるしかないが。 気張らず運転した時のマナーも、RS3の強み。アウディらしく落ち着いている。乗り心地は硬めだが、動的能力を考えれば納得できるもの。高速道路の速度域でも、コンフォート・モードを選んでいれば、揺れに悩まされることはない。 英国価格が5万9510ポンド(約1154万円)からだと考えると、上質とはいえない。だが、280km/hで走れるホットハッチだと考えれば、妥当なトレードオフだろう。 この四輪駆動クラスでは、ドイツ勢が激しい競争を繰り広げている。メルセデスAMG A 45にBMW M135i、フォルクスワーゲン・ゴルフ Rといずれも強敵揃いだ。しかし、今回のアップデートでRS3が訴求力を高めたことは間違いないだろう。 ◯:刺激的な5気筒ターボエンジン 普段使いのしやすさ 適度に控えめでスポーティなスタイリング △:ホットハッチとしてはお高め インテリアに驚きが少ない
アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万9510ポンド(約1154万円) 全長:4381mm 全幅:1851mm 全高:1430mm 最高速度:280km/h 0-100km/h加速:3.8秒 燃費:10.7-10.8km/L CO2排出量:212-213g/km 車両重量:1640kg パワートレイン:直列5気筒2480cc ツインターボチャージャー+電気モーター 使用燃料:ガソリン 最高出力:399ps/5600-7000rpm 最大トルク:50.9kg-m/2250-5600rpm ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)
ジェームス・アトウッド(執筆) 中嶋健治(翻訳)