頑張れない女子が女優になった 希代彩「JKエレジー」で初主演
頑張るのが嫌い、親とめちゃくちゃ仲悪かった少女時代
実際、希代はストレートで、無防備なくらい言葉のひとつひとつに飾りっ気がない。少女時代の夢を聞くと、「ない」と笑う。「これというものがなかったんです。普通だったんじゃないですか、花屋さんになりたいとか」。普通なら「お花屋さんになるのが夢でした」などと答えるだろうが、希代の中ではそんな気まぐれな願望は夢と呼べるシロモノではないようだ。 「幼い頃の記憶自体、あまりないんです。良い思い出がなくて。家庭環境が悪かったわけじゃないんですけど、親とめちゃくちゃ仲が悪かったんで、怒られた記憶しかなくて。母は割と教育熱心なほうで、私は勉強が嫌いというか頑張るのが嫌いで。コツコツ努力するということができず、毎日塾に遊びに行って、結局何もできないで怒られてました」 振り返る希代だが、いまはさすがに頑張っているという。 「頑張るの辛いですけど、仕事なので頑張っています。お金もらってやっているんだから。いつか親は死ぬし、自分で食べていかなきゃいけませんから」
人の気持ち考え始めるとキリがなくて辛くなる
松上氏が希代を見込んだのも、そんな飾らなさにあるようだ。 「私って結構ダメ人間なんですよ、みたいなことを正直に言っていたんですよ。この世界、役者をやりたい子たちは元気に『頑張ります!』みたいに言ってくる子が多い中、素直だなと思って。そこがすごく面白かったんです」 そんな少女時代を送る中、アイドルは大好きだったとか。 「AKB48から始まってハロプロへ行って、途中エイベックスさんのiDOL Streetにめちゃくちゃハマって、そのあとハロプロに戻って。とにかく、顔面のいい女がすごく好きだったんです。AKB48なら渡辺麻友さんが大好きだったんですけど、偶像として出来上がり過ぎて、でも人間としても良くて、めちゃくちゃ好きでした」 ようやく、ミスiDにエントリーした希代につながった。アイドルにハマり、自分も何者かになりたいともがき、そして今こうして女優の扉をくぐった。 「気持ちって、難しいじゃないですか。人の気持ち、マジでわからないなって思うことが多くて。女優って、このときこの人はどんな気持ちだったのかな、って考えますよね。台本をもとにいろいろ考えるんですけど、この人は悲しいときにどう悲しいの?とか考え始めるとキリがなさすぎて辛くなってきたりします」