頑張れない女子が女優になった 希代彩「JKエレジー」で初主演
映画初主演となる希代彩(きたい・あや)が、「JKエレジー」(松上元太監督)の撮影に臨んだのは2年前の夏だった。ミスiD2017にエントリー(ファンタジスタさくらだ賞を受賞)した希代は当時、将来の夢を「何かになる」と書き、「何になりたいというわけではないけれど、何かになれるのではないかというほのかな期待を込めて応募しました。もっともっと沢山の面白い大人に出会えたらなあとおもいます。人前に立って行く度胸はあります」とコメントしている。2年が過ぎ、何かになれたのか、それともなれる手応えはつかめたか。8月9日の公開を前に、希代と同作の監督である松上氏に聞いた。
努力なしでは何者にもなれない
映画で演じた高校3年生の梅田ココアと比べ、ずいぶんと大人びた顔をして、髪も金に染めた希代は、2年前のそのコメントを「恥ずかしい」と笑い、「いや、何者かになろうと思うほうがバカげているって、今は思います」と話した。 「努力していない小娘が何者かになれると思っているほうがおかしい。あのときはのらりくらり生きていて、何もしたくないなって感じだったから、努力してなかったと思います。そこからのほうが、過酷でした。人生が過酷になった。悩んだってこともあるし、肉体的にも精神的にも辛い時期がありました。ミスiDの審査期間も、どうやろう、どう活動しようかな、みたいなことを考えていたので大変ではありました」 「JKエレジー」で演じるココアは群馬県桐生市に暮らし、ギャンブル依存症の父親(川瀬陽太)とニートの兄(前原滉)に、ビデオ出演で稼いだバイト代をアテにされるなど最悪な家庭環境のもと鬱屈した日々を送る。そんな日々をなんとか打破しようと、自分だけを信じ突き進む。監督の松上氏は、ココア役に希代を選んだ理由を「最初はルックスです」と話した。「役柄的に健気な子ですが、それを健気な感じの子がそのままやると面白くない。彼女は割と強い顔なので、いいんじゃないかと。そして実際お会いして、素直だなと。これだけ素直なら、芝居経験がなくても一緒にがんばって行けるんじゃないかと思いました」と話す。