長所や短所は? 話題のアトランティックダイエットについて知っておくべきこと
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
健康にいい脂肪、魚、ナッツ類、果物、野菜でお皿を満たす地中海式ダイエットは、栄養士の間でもっとも健康的な食事法の一つとされている。心臓の健康にいいうえダイエット効果もあり、何より地中海沿岸でバカンスを過ごしているような気分に浸れるのも人気の理由かもしれない。
『USニュース・アンド・ワールド・レポート』でトップダイエットに再度選ばれたばかりの地中海式ダイエットは不動の人気を誇っているけれど、先日オンライン医学誌『JAMAネットワーク・オープン』に掲載された研究結果を受けて、アトランティックダイエットと呼ばれる地中海式ダイエットとはいくつか重要な違いをもった新しい食事法が話題になっている。研究によると、胴回りやコレステロール、血糖値を抑えるために肉やじゃがいもを完全に排除する必要はないという。
アトランティックダイエットは、イベリア半島北西部、具体的にはスペイン北西部とポルトガル北部の伝統的な食事習慣に由来します、と説明するのは、ミズーリ州セントルイスのジムのオーナーで登録栄養士のキム・ヤウィッツさん。「アトランティックダイエットは地中海式ダイエットと比較されてきましたが、それには理由があります。どちらの食事法も果物、野菜、全粒穀物、豆類、オリーブオイル、ナッツ、魚の自由な摂取を推奨し、適度なワインの摂取も認めています」と彼女は語る。
重要な違いは、一般的なアトランティックダイエットは地中海式ダイエットに比べて、より多くの牛肉と豚肉の摂取量を認め、でんぷん質が多い傾向があるところ。アトランティックダイエットについて知っておくべきことのすべてを、栄養士らが解説してくれた。
アトランティックダイエットはどんな食べ物を食べる?
アトランティックダイエットでは、加工を最小限に抑えた地元産の旬の食品を中心に食べる。このダイエットでおもに食べられるのは、果物、野菜、全粒粉パン、じゃがいも(煮込み料理で提供されることが多い)、豆、オリーブオイル、魚介類、牛乳、チーズ、ドライフルーツ、ナッツ類(とくに栗)など。さらに、適度な量の牛肉、豚肉、鶏肉、ワインも摂取できる。 ただし、揚げ物は禁物。アトランティックダイエット発祥の大西洋沿岸の料理の調理法は、グリル、炙り、オーブン、煮込みがメインだそう。 とくに煮込み料理は、ゆっくり調理することで栄養素を保持しつつ風味を高められる方法で、魚介類、赤身肉、野菜、豆類などの食材と相性がよく、大西洋沿岸地域の料理の伝統を反映しています、と話すのは循環器栄養士で「エンタイアリー・ナリッシュド」のオーナーでもあるミシェル・ルーゼンスタインさん。新鮮なハーブやスパイスを使うと煮込み料理の風味をさらに高められます、と彼女は続ける。