護法祭のご神体修復 支援を 岡山・美咲の両山寺 CFで費用募る
岡山県美咲町両山寺の両山寺は、祭神が人に乗り移った「護法実(ごほうざね)」(通称ゴーサマ)が境内を駆け回る寺の奇祭・護法祭(県重要無形民俗文化財)のご神体修復に向け、クラウドファンディング(CF)で費用を募っている。来年、同祭が750回目を迎えるのに合わせた挑戦で、目標額は750万円。 毎年8月14日夜から15日未明にかけて行われる護法祭は山岳仏教の祈祷(きとう)の一種。鎌倉時代の1275年、当時の僧が仏教を守護する護法善神の神託を受けて始まったと伝わる。半紙でできた「紙手(しで)」をかぶったゴーサマが両手を羽ばたかせながら暗闇を疾走し、捕まると災いが降りかかるとされる。 寺によると、ご神体は護法善神をかたどった高さ40~50センチの人型の木製立像で敷地内の社(やしろ)に祭られている。非公開だが、表情や細部の彫刻が確認できないほど劣化しているという。 CFで集まった資金はご神体のほか、寺から社に続く参道の階段や側溝の修復費に充てる。井上観賢住職(46)は「節目を機にご神体を整え、護法祭を末永く守り伝えられるようにしたい」と話している。 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用し、30日まで募る。返礼品は紙手で作る護符や750回目記念の御朱印などを用意した。 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/750-814)。