記念撮影した井上尚弥（左）とトゥルキ・アルシェイク氏

プロボクシングの4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥（31）＝大橋＝が、サウジアラビア最大のエンターテインメントフェスティバル「リヤド・シーズン」と総額30億円（推定）のスポンサーシップ契約を締結したことが4日、発表された。 井上は大橋ジムの大橋秀行会長（59）らと2日深夜（日本時間3日）にプライベートジェットでサウジアラビア入りし、サウジアラビア総合娯楽庁長官のトゥルキ・アルシェイク氏のオフィスで調印式に出席。契約書に漢字で「井上尚弥」とサインし、笑顔でアルシェイク氏とがっちりと握手を交わした。 「キャリアの佳境に差し掛かってくるタイミングでこのような契約が結べたことは、自分自身の新たなモチベーションにもなると思っているので、非常に楽しみな契約だと捉えています」 井上がモチベーションを高めるのも無理はない。「リヤド・シーズン」は通常10月から2月、3月までさまざまなスポーツ、文化、音楽のコンサート、あるいはさまざまな催しが行われる一大イベント。アルシェイク氏は大のボクシングファンで、これまでは主に中量級以上の選手にビッグオファーをしてきたが、「井上のスタイルが大好きだ」と軽量級代表として井上にラブコールを送り続けてきた。井上は「限られた選手しかたどりつかない場所だと思っていますし、誰しもが行けるステージではないと思っています」と歴史的な大型契約を誇った。 ビッグオファーを提示したアルシェイク氏は「来年サウジアラビアでビッグファイトをすること」を期待。井上は12月24日に東京・有明アリーナで、4団体王座防衛戦としてIBF、WBO1位のサム・グッドマン（26）＝オーストラリア＝の挑戦を受ける。来年4月には米ネバダ州ラスベガスでの試合も計画されており、「来年どうなるかは分かりませんが、タイミングが合えば是非サウジアラビアに来て試合をしたいと思っていますし、自分はその期待に応えるだけだと思っています。そして、これまで同様に日本の皆さんの前で披露しているパフォーマンスを、サウジアラビアの皆さんにもお見せするだけだと思っています」とサウジアラビアで「リヤド・シーズン」興行に参戦することにも前向きな姿勢を示した。 「リヤド・シーズン」興行に参戦すれば、世界戦が複数行われる超ビッグイベントにメインイベンター級の扱いで名を連ねる可能性が高い。ファイトマネーは桁違いで、1000万ドル（約15億2000万円）超も見えてくる。井上は今回の契約により、今後出場するすべての公式戦において「リヤド・シーズン」のロゴをトランクスのベルトラインに掲げることが決定。このことから現役の間中の〝生涯契約〟とみられる。